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【第一回キングダム総選挙:結果!】全206キャラの頂点は?意外な順位と結果分析、支持率・オッズ換算も

キングダムの濃厚なストーリーを彩る206人の個性的なキャラクターから人気ナンバーワンが遂に決定!ヤングジャンプ公式の人気総選挙の結果の上位30キャラクターを紹介 ヤングジャンプが主催した漫画キングダムの人気キャラクター総選挙。本誌に付属したハガキによる投票と特設サイトからのネット投票の総得票数で2020年5月28日発売のヤングジャンプ6/11号で遂に結果が発表されました。 集まった総投票数は168,105票。 その結果から様々な読者から愛されるキングダムのキャラクターたちの姿が見て取れます。得票数による支持率とオッズと共に、結果を分析していきます。 ちなみに本記事の著者が投票したキャラは、頭脳と武勇を合わせ持つ秦軍総司令・右丞相「昌平君」でした。 第30位 ~ 第21位 第30位 秦 飛信隊「楚水(そすい)」898票 本誌:54位、ウェブ:26位、総合30位古くから飛信隊を支える安定の副長 得票数:898票、支持率:0.5%、オッズ187.2倍 元下僕の出生で密かに飛信隊の活躍を応援していた千人将郭備隊の兵。秦が蒙驁を筆頭に山陽で魏の廉頗と戦った際、郭備が輪虎に暗殺されたことで、飛信隊に配下の700兵と共に入隊し、それ以来の飛信隊を支える安定した副長として活躍している。 信が輪虎を破った際も、捨て身の活躍を見せるなど、その勇猛っぷりは目を見張り、多くの個性的な列将がいる中で30位にランクインするなどファンからの根強い人気を持つ武将だ。 第29位 秦 成蟜夫人「瑠衣(るい)」957票 本誌:17位、ウェブ:47位、総合29位最後まで王弟成蟜を愛し信じ続けた強く美しい女性 得票数:957票、支持率:0.6%、オッズ175.66倍 夫である成蟜(せいきょう)より人気順位が高かった瑠衣。咸陽のクーデターを鎮圧された後、改心した成蟜。妻瑠衣の故郷である屯留で起きた戦を平定するため進軍した際に、呂不韋の策謀により暗殺されてしまう。 夫の死に際、成蟜を愛し続けていることを伝える一途な姿と、成蟜亡きあと味方の諸侯を嬴政(えいせい)陣営に迎えるなど、周囲の信頼も厚い優しく強く美しい印象的な女性キャラクターだ。 第28位 秦 飛信隊「松佐(しょうさ)」1,011票 本誌:29位、ウェブ:28位、総合28位飛信隊きっての頼れる兄貴キャラ 得票数:1,011票、支持率:0.6%、オッズ166.2倍 郭備兵や麃公兵など歴戦の兵を加えて拡大する飛信隊の中でも平民から従軍しているにも関わらず頼りがいがあり槍の使い手である松佐。王騎から飛信隊という名を授けられた馬陽において、百人将の信と共に戦った時からの古参だ。 戦に恐れる新兵にも目線を合わせ、後ろ姿を見せる、リーダーシップと良識に溢れた頼れるキャラクターだ。しかし、趙攻略での朱海平原にて仲間を助けるため奮死を遂げてしまう。 第27位 趙 李牧軍「カイネ」1,083票 本誌:18位、ウェブ:34位、総合27位敵国のキャラでも読者に愛される女武将 得票数:1,083票、支持率:0.6%、オッズ155.2倍 若くして李牧の信頼する腹心であり知性に溢れる女性武将だ。 総選挙ではほとんどキャラが秦国にも関わらず、1000票を超える得票を得た趙国のキャラ。河了貂は昌平君の軍師学校に通っていた際に初めてカイネと出会ってから、何度か戦場で出会うが、敵ながらお互いを敬い心を通わす姿に、読者も愛着を持ってしまうのだろう。 蕞の攻防戦では、城壁から転落しそうになるカイネを河了貂が助け、カイネは趙に亡命するよう持ちかけるなど絆が描かれている。 第26位 魏 大将軍「廉頗(れんぱ)」1,099票 本誌:33位、ウェブ:25位、総合26位元趙国三大天の一人 圧倒的武勇を誇る廉頗 得票数:1,099票、支持率:0.7%、オッズ152.9倍 元趙国の三大天であり、勇猛あふれる将軍廉頗。同じく元三大天であり故人の藺相如(りんしょうじょ)と「刎頸の交わり」という故事の元となった史実でも実在の将軍だ。 趙王の冷遇により魏へ亡命した後に初めての戦となった蒙驁(もうごう)率いる秦軍との山陽の戦いでは圧倒的な勇猛さと仲間想いの姿、豪快さ、潔さ、敵ながら強い魅力を持ったキャラクターだ。 第25位 秦 飛信隊「仁(じん)」1,174票 本誌:14位、ウェブ:52位、総合25位本誌投票で人気だった弓の名手 得票数:1,174票、支持率:0.7%、オッズ143.1倍 飛信隊の新メンバー選抜で圧倒的な弓の使い手として登場した仁淡兄弟の兄である仁。父は中華十弓に名を連ねる蒼源。 趙攻略の際には怖気づく弟を尻目に活躍し、河了貂が窮地に陥った際には命を投げうって救出した勇気あるキャラクターだ。その後弟の淡も兄を救うため覚醒する。その可愛らしいルックスとは裏腹に戦での勇敢な活躍により特に本誌アンケートでは高い支持を得た。 第24位 秦 飛信隊「那貴(なき)」1,199票 本誌:54位、ウェブ:21位、総合24位桓騎軍から飛信隊に入隊したニヒルだが熱いイケメンキャラ 得票数:1,199票、支持率:0.7%、オッズ140.2倍 残忍冷酷な桓騎兵の中では珍しく良識を持った男。尾平が桓騎兵にそそのかされ民の宝玉を盗んでしまい、飛信隊を追放され桓騎兵に暴行されていた際もそれをかばうなど思いやりがある一面を持つ。 黒羊丘攻略編にて飛信隊に一時編入した際に、飛信隊の価値観に共感し自ら志願して飛信隊に入隊し、隊を支える貴重な存在となる。キレると桓騎の腹心で蛮勇の雷土よりおっかないと自負していることから、強さも一線を画しているだろう。 第23位 秦 千人将「オギコ」1,397票 本誌:28位、ウェブ:22位、総合23位キングダムきっての色物キャラがランクイン 得票数:1,397票、支持率:0.8%、オッズ121.9倍 桓騎がおもしろいからという理由で千人将にしている、キングダムの中でもきわめてユニークな愛されキャラクターであるオギコ。キングダムを代表するギャグ担当が本誌でもウェブでも安定的な人気を見せた。 合従軍編では国門函谷関から見事敵に1矢を浴びせる事に成功した笑 第22位 秦 「漂(ひょう)」1,405票 本誌:23位、ウェブ:23位、総合22位今でも信と想いを共に、天国から大将軍を目指す 得票数:1,405票、支持率:0.8%、オッズ119.6倍 下僕の幼少期に信と共に天下の大将軍を目指した信の大親友である漂。王弟謀反の際に、秦王嬴政と瓜二つであったことから王の身代わりとして命を落とす。強く、知性に溢れ、勇敢で、信の強さを誰よりも認めている存在であった。 今でも信が天下の大将軍を目指す心の礎となっており、コミック第一話で命を落としているがファンから根強い人気を誇っている。 第21位 秦 将軍「録嗚未(ろくおみ)」1,664票 本誌:52位、ウェブ:15位、総合21位王騎の想いを継ぐ元王騎軍第一軍長 得票数:1,664票、支持率:1.0%、オッズ101倍 王騎に絶大な信頼を得ていた元王騎軍第一軍長。秦を代表する大将軍に匹敵する勇猛さをもった熱い男。ウェブ投票で高い支持を得る。 王騎の副官である騰に次いで王騎軍を支え続けた強さを誇る勇将。騰のボケにツッコミを入れるユーモラスな場面もファンの心を掴んでいる。 第20位 ~ 第11位 第20位 秦 左丞相「昌文君(しょうぶんくん)」1,795票 本誌:29位、ウェブ:16位、総合20位秦王嬴政を支え続ける名家臣 得票数:1,795票、支持率:1.1%、オッズ93.6倍 王弟謀反から嬴政を支え続ける昌文君。かつては王騎と共に戦場を渡り歩いた名武将。呂不韋との権力闘争にも嬴政を支え続け、嬴政の加冠後には軍総司令である昌平君と共に丞相に着任した秦国を支える名臣だ。王騎からも武人時代に気骨のある男と一目置かれていた。 内政では治水事業で秦を豊かにするなど、戦以外にも嬴政にとってなくてはならない存在であり、ファンからの支持も高いキャラクターであると言える。 第19位 秦 六大将軍「摎(きょう)」1,811票 本誌:13位、ウェブ:24位、総合19位六大将軍唯一の女性で王騎の元婚約者 得票数:1,811票、支持率:1.1%、オッズ92.8倍 六大将軍の一人で最強の女性将軍である摎。強さと美しさを兼ね備え、王騎の婚約者。 昭王の妾の子供であったことから王騎に引き取られたが、王騎に憧れ、100個の城を落としたら王騎と結婚をするという約束をするも、100個目を目前にして龐煖に襲撃され討死してしまう。 そんなエピソードと、健気さ、美しさ、強さからファンを魅了する女性キャラクターだ。 第18位 趙 三大天・宰相「李牧(りぼく)」2,018票 本誌:16位、ウェブ:20位、総合18位これまで最も秦を苦しめる宿敵 得票数:2,018票、支持率:1.2%、オッズ83.3倍 王騎を討ち取った馬陽から、直近の朱海平原の戦いまで幾度となく秦軍を苦しめた趙国最大の宿敵である李牧。 その高い知略と甘いマスクとは裏腹に、秦の将軍を瞬殺するなど武力も圧倒的なキングダムの敵国キャラの中でも圧倒的な存在感を示す。 一方で、愚王である趙王からは冷遇されながらも、健気に国を守ろうとする姿は共感・同情する面も多い。 第17位 趙 闇商人「紫夏(しか)」2,329票 本誌:12位、ウェブ:19位、総合17位今でも嬴政の心の礎となっている尊い存在 得票数:2,329票、支持率:1.4%、オッズ72.1倍 趙国の人質となっていた嬴政が秦国の世継ぎとなることが決まった際に、趙国脱出を助けた女闇商人。 秦を恨んでいた趙の民から凄惨な迫害を受けていたことで心を失っていた嬴政を救い、嬴政が中華統一を志すキッカケとなった強い信念を持った女性。 命を投げうって嬴政を守った感動的なエピソードは、今でもキングダムファンの心を掴んで離さず、秦以外の国のキャラクターでは第二位にランクインした。 第16位 秦 千人将「亜花錦(あかきん)」2,411票 本誌:9位、ウェブ:18位、総合16位ミステリアスだがここぞという時に活躍する武将 得票数:2,411票、支持率:1.4%、オッズ69.7倍 序盤からのキャラクターを差し置いて、本誌投票ではなんとTOP10にランクインした人気キャラクターの亜花錦。 朱海平原で王翦(おうせん)軍の亜光(あこう)軍に属する千人将として登場した。 「ギギギギ」という口癖と強烈なルックスの半面、戦略眼に長け、味方のピンチを救い困難なミッションをさらっとやってのける有能な武将。 能力は高いが、元悪童で性格難から千人将どまりの無名の実力者として描かれ、玉鳳隊の関常(かんじょう)からも亜光軍で最も死ぬには惜しい逸材と評されている。 第15位 魏 将軍・廉頗四天王「輪虎(りんこ)」2,454票 本誌:45位、ウェブ:13位、総合15位幾度となく信を苦しめた勇将輪虎 得票数:2,454票、支持率:1.5%、オッズ68.5倍 ウェブ投票で圧倒的な支持を得た、廉頗四天王の中でも最強を誇る勇将輪虎。龐煖を除くと、かつて主人公の信を最も苦しめた最大のライバルであると言える。 その少年のようなルックスとは裏腹に圧倒的な強さを持ち、戦争孤児だったところを廉頗に拾われてからそれを天命として廉頗の剣となり前線で戦い続けてきた姿は、主人公の信と重なる点も多く、それが多くの支持を得た所以かもしれない。 第14位 秦 将軍「王翦(おうせん)」3,055票 本誌:10位、ウェブ:14位、総合14位戦わずして勝つ 秦軍を支える類まれなる智将 得票数:3,055票、支持率:1.8%、オッズ55.3倍 「絶対に勝てる戦にしか興味が無い」と豪語するミステリアスな智将である王翦。趙攻略では秦軍の総大将に抜擢されるなど嬴政・昌平君からの信頼も厚い。現場の武将で李牧の策略に対応できる唯一の将軍であると言える。 一方で自らが王になることを目論んでおり、朱海平原では李牧に投降して共に新たな国家の建国することを打診するなど、今後の動向が気になるところだ。 第13位 秦 大将軍「麃公(ひょうこう)」4,226票 本誌:25位、ウェブ:11位、総合13位信が憧れた本能型の大将軍像 得票数:4,226票、支持率:2.5%、オッズ39.7倍 秦軍の列将の中でも最も猛々しく、戦場で生き抜いた男の中の男である麃公。信の初陣では総大将を務め、信の描く大将軍像に大きな影響を与えた。 六大将軍に入る実力を持っていたものの王都への招集を断り続け、戦場の前線で生きることを貫いた。咸陽を守るため龐煖との戦いの死に際に、信に送った言葉の数々はファンの胸を打った。 第12位 秦 飛信隊「河了貂(かりょうてん)」4,303票 本誌:5位、ウェブ:17位、総合12位物語序盤から信を支え続ける女軍師 得票数:4,303票、支持率:2.6%、オッズ39倍 […]

【え?実は弱い?】キングダムに登場する疑惑のハッタリ武将たちを徹底分析

サムネイル画像:作画引用・出典 キングダム (原 泰久) 集英社 勇猛で屈強な武将が活躍する国民的漫画キングダム!その風貌や発言から「こいつは強敵では!?」と読者をドキドキさせるも、実は思ったより弱かった・・・という残念な武将も登場する。そういったキャラクターも物語を彩る重要な存在!? 戦ってみるまでその本当の強さは未知。多くの武将たちが主人公信をはじめ秦国の将軍たちを葬り、苦しめ、敵ながらにその強さや知略にハラハラさせられるのもキングダムの魅力の一つである。 一方で、エピソードや発言・言動と比較し、いざ相対したら「あれ?」と思うほどあっさり討ち取られてしまった武将や、その強さに疑問を感じる武将の存在がいるのも事実。 無論、主役側の強さを引き立たせるためのストーリー上の脚色や、全50巻を超える物語の登場タイミングによって描かれ方が異なるため単純な比較はできないとは思うが、今回はそんなちょっと残念な登場人物たちにフォーカスして紹介する。 天下最強を自称する秦の高級武官「左慈(さじ)」 たしかに強かった・・・!王弟反乱鎮圧への最大の脅威だった!が、「天下最強」?? 物語序盤、王弟成蟜(せいきょう)の反乱においてランカイのような怪物を除いて最も強い武人として描かれていたのが成蟜の後ろ盾である丞相竭氏(けつし)の配下である高級武官の左慈であろう。映画キングダムでは漫画と異なりランカイではなく左慈が最後の敵となっている。 竭氏陣営の中でも圧倒的に強く人斬り番長と異名を持ち、自らを天下最強と評する自信家だ。 山の民の力を借り、咸陽の王宮にたどり着いた嬴政と信。信は成蟜討伐のため本殿に続く隠し通路である右龍の回廊を進むがそこに待ち受けるのが左慈であった。勇猛な山の民をバッタバッタと斬り捨て、壁(へき)と信を唖然とさせる。 信をかばった壁は左慈に損傷を与えるも深手を負わされ瀕死に。 攻めあぐねる信を尻目に左慈はこう息巻く。 「剣は力。剣は速さ。共に最上を極める俺は天下最強だ。」 秦国 高級武官 左慈(出典 キングダム (原 泰久) 集英社 ) しかし壁の与えたダメージと信の執念により徐々に動きが鈍り、それを信が見切ったことで最後は信と刺し違えて絶命する。 とにかく自信家の左慈だったが、自らの動きが鈍っていることにも信に斬られたことも気づかず、結局まだ14~15歳くらいの信に見切られ討ち取られた。 信の強さのポテンシャルが高いことを裏付けるが、まだ戦の経験もなく王騎(おうき)や麃公(ひょうこう)のような大将軍との交わりもない信に勝てなかった左慈は天下最強には程遠い強さであったと言わざるを得ない。 同じ時代に生きている、武神龐煖(ほうけん)は当然ながら同国の将軍蒙武(もうぶ)、楚の汗明(かんめい)、当然王騎や麃公・廉頗(れんぱ)などの歴代の列将には到底敵わないであろう。 そういった意味では左慈は物語最初のハッタリキャラであろう。 【結論】天下最強ではない 魏火龍七師の最期の生き残り”知略”の大将軍「呉慶(ごけい)」 秦の六大将軍・趙の三大天と渡り歩いた魏火龍最後の生き残りである呉慶!その強さは最大級の脅威だったはず・・・!? 信の初陣で登場したのが魏の総大将呉慶。秦の六大将軍や趙の三大天という強力な将軍たちと中華を渡り歩いた、魏火龍七師という7人の大将軍のうちの一人である。しかもその最後の生き残りであるという呉慶は、魏火龍の中でも最も強い武将なのでは?と想像してしまう。 それに相対したのが秦の大将軍麃公。「本能型」の麃公と「知略型」の呉慶の対決として両雄譲らない激戦が繰り広げられる。 信らの活躍もあり、麃公は呉慶の本陣に辿りつき一騎打ちとなる。 武力より知略で戦ってきた呉慶は、一騎打ちでは麃公に勝てる見込みはなく、持ち前の知略による立て直しも図れない。元々亡国の王族であった呉慶はその不遇の過去から激情にかられ、智を捨て武で麃公に立ち向かい、多少は巻き返すも、最後は麃公の前に一刀両断されてしまう。 六大将軍や三大天と渡り歩いた将軍が、戦略で負け一騎打ちに持ち込まれ、最後は私怨にかられて無謀に麃公に挑み、歯が立たずあっさり葬られた姿を見ると、「本当に魏を代表した大将軍だったのか?」と疑わざるを得ない死に際であった。 【結論】知略型にしては無謀で弱い 六大将軍を超える実力を持つと自負する蛮将「渉孟(しょうもう)」 王騎を老いぼれ呼ばわりし、趙の三大天の筆頭候補と自負し、新世代の中華に君臨すると豪語するが・・・! 元六大将軍であり、ここまで謎のベールに包まれていた大将軍王騎の復帰戦である馬陽での趙との攻防戦。蒙武の圧倒的な攻めや、王騎から飛信隊の名を授かった信が敵将の馮忌(ふうき)を討ち取るなど活躍するが、蒙武が軍師趙荘(ちょうそう)の策にハマり窮地に陥る。 それに伴い王騎自らが前線に出陣するが、そこに立ちはだかったのが趙将の渉孟であった。王騎軍長の鱗坊も一度やりやった際に渉孟の強さを知り、激しく警戒する。 渉孟は自らを、超大将軍級の実力者だけが称号を得られる趙の三大天になる実力を持ち、時代が時代であれば秦の勇将六大将軍をしのぐ実力も持ち合わせると自負し、相対した王騎に引導を渡すと豪語する。 あの王騎が自分から目の前に現れたよ ククク本当に老いとは悲しいね奴は今自分がどれほど危険な状況にあるのか少しも分かってないあるよ その実力を疑う余地はない しかしその時代に私はいなかった 皆思いしるがいいね この私が六将を超える化け物であることを特に武力だけならあなたなど私の足元にも及ばない王騎過去の遺物とはさよならね これからこの私が中華全土の戦場に君臨する!! 趙国 将軍 渉孟(出典 キングダム (原 泰久) 集英社) 息を巻き王騎に相対するが、その刹那王騎に真っ二つにされてしまう。「え?あ ブヒ」という最後の言葉を残し、自分の死を理解する間もなく瞬殺されてしまった。 圧倒的なビッグマウスと裏腹に瞬殺された豚キャラの渉孟は、キングダムでも類を見ないブーメランキャラとして、ある意味ファンから愛されている。また、衰えない王騎の強さを印象付けた。 【結論】口だけ達者な豚キャラ 六大将軍を寄せ付けなかったと語る魏火龍七師「凱孟(がいもう)」 実は生き残っていた魏火龍の一人である凱孟。六大将軍すら戦いを避けたことを誇るが、本当はたいして強くなかった・・・?? 魏火龍の生き残りは呉慶だけだと思われていたが、実は紫伯(しはく)・霊凰(れいおう)・凱孟の3人が生き残っており、秦へ襲い掛かる。その中でも圧倒的な武力を誇る凱孟が信に前に立ちはだかった。 ユニークで豪快なキャラクター性や、河了貂を捕虜にした際の会話からすると人情味もある憎めない敵将だ。 また、戦に対して強い持論を持つ、生粋の武人でもある。 戦に”光”などない ”意義”だの”夢”だのと語るのは無知なバカ共をかき集める為のただのまやかし戦は強者が欲望のままに弱者を屠(ほふ)る単なる殺戮の場それ以上でもそれ以下でもない 魏国 魏火龍七師 大将軍 凱孟(出典 キングダム (原 泰久) 集英社) 過去その強さから秦の六大将軍も戦いを避けたと自負し、信との一騎打ちシーンでの攻撃力からしてもその強さは確かであると言える。 しかし、王騎が凱孟と対面した際に「あなたは赤ん坊のまま猛牛になった困った人、戦う割に合わない」と相手にされてなかったことや、信も戦いを避けられたのではなく相手にされなかったのでは?と図星をつくような指摘をされている。 河了貂の策により撤退したことで、真の強さは明らかにならなかったが、紫伯を除き意外とあっさり葬られていった魏火龍の面々からすると、他の超大将軍級の列将と比較し弱いのでは?と疑ってしまう。 今後、信の前に立ちはだかることを期待したい。 【結論】列将に相手にされなかった赤子の猛牛? 大将軍級の剛将を自負する楚の将軍「臨武君(りんぶくん)」 大国である楚の将軍は中華の”大将軍級”。まともに戦いたかったら墓場から王騎でも連れてこいと豪語する自称剛将だったが・・・ 合従軍侵攻編において趙に並び大編成で秦に襲い掛かる楚軍。その中でも圧倒的大将軍の汗明から絶対的な信頼を受け、全軍の先陣を切ったのが臨武君だ。 開戦前に元王騎軍長の同金(どうきん)を葬り、開戦後も同じく元王騎軍長の録嗚未を追い詰める強さを見せる。 その際に自らの強さを誇り、大国の楚で将軍になるのは、秦で将軍になるのと格が違う。自らをまともに相手にできるのは王騎くらいだろうと豪語する。 クッ 将軍級だと?笑わせるな 秦の山猿が将軍を語るな 貴様らと楚では”将軍”の意味が違うのだ大国 楚で将軍になることがどれ程のことか貴様らは理解っておらぬ!貴様らと楚では国土の広さが違う故に人の数が違う!つまりは競い合う底辺の数が違うのだ 楚国 将軍 臨武君(出典 キングダム (原 泰久) 集英社) 録嗚未の救出に入った騰と交戦すると、武者震いし秦にも面白い男がいるではないかと舌を巻く。しかし、今までその程度の敵は幾度となく打ち砕いてきたと、自らの強さを疑うことはない。 確かに強い・・・だがな 俺は楚将まで上り詰めて来た男だ 幾度も幾度も貴様のような強者を打ち砕いて来たわァ 楚国 将軍 臨武君(出典 キングダム (原 泰久) 集英社) 何度も楚の将軍の強さが天下の大将軍級であると主張するが、結果的に騰の前に全く歯が立たず瞬殺されてしまう。 王騎と戦場を駆け巡っていた騰が、臨武君を上回る大将軍級の強さを持っていたことは疑いようはないが、騰に全く敵わなかった臨武君は中華の大将軍級の強さがあったか疑わしい。無論、騰が仕えた最強の王騎とまともに渡り歩けたとは到底思えない。 故に大口が先行した、残念な武将の一人として印象付けられてしまっただろう。 【結論】楚の将軍も、ただの将軍だった 合従軍で韓の大将を担った毒兵器使いの大将軍「成恢(せいかい)」 毒の研究に自らの肉体を犯し、毒を用いて秦軍を陥れた韓の将軍成恢。最後は熱き老将に背後から真っ二つ・・・! キングダムのストーリーで未だにあまり描かれていない韓軍。そんな中でも合従軍編で韓が従軍した際に総大将を担ったのが成恢だ。成恢は国門函谷関を守る張唐軍へ毒兵器を放ち、秦軍を苦しめ、老将の張唐大将軍も猛毒により余命いくばくの身体になってしまう。 もともと美男子であった成恢だったか、自らの肉体を犠牲にしてまでも毒兵器を開発し、戦に効率的に勝利するために毒を活用し尽くすという非情な合理性をもった男だった。 成恢の毒攻撃で混乱した函谷関は陥落寸前であったが、桓騎の奇策により張唐は地上に降り立ち、成恢本陣にたどり着く。 張唐の急襲を受けた成恢は、その非情な性格とは裏腹に張唐の迫力に怖気づき、張唐に背を向けて逃走するもあっけなく張唐に一刀両断されてしまった。 キングダムの中でも特異な将軍であった成恢。毒以外に全くいい所がない残念な将軍であった。 【結論】毒だけに頼っていたヘッポコ将軍 軍神楽毅(がくき)の戦術を熟知し、燕を守った救国の英雄 大将軍「劇辛(げきしん)」 李牧を見抜く戦術眼。趙の三大天に入るポテンシャルを持っていた勇将。しかし、最期が残念過ぎた・・・! 中華の西部に秦の六大将軍、中央に趙の三大天、東部にはかつて軍神と呼ばれ後世にも語り継がれる燕の楽毅が存在したことで中華が力関係が均衡していた。 そんな楽毅の戦をその目で見て盗み・記録し・再現することができた劇辛は、もともと趙国の武将であり、そのまま趙にいれば三大天に入っていたと言われるほどの実力者。金に買われ燕に移ったが、その強さにより国を守った救国の英雄として燕に君臨していた。 趙と燕が戦った際には楽毅譲りの戦略眼で李牧の策略をも読み切り、李牧の本陣へ迫る。 しかし、そこに相まみえたのが武神・龐煖であった。劇辛は若かりし頃、出生地の趙の馬陽周辺に武神と自称する求道者という輩が村に悪さをするので、何人か切り殺したと語り、だから龐煖のようなのには慣れていると豪語する。 龐煖との互角の戦いを期待したかったところだったが、結局龐煖の一撃により瞬殺されてしまった。 知略も武力も折り紙つきの強さを誇る劇辛だったのだろうが、龐煖相手にはなすすべなく、ここまでの触れ込みと対照的にとても残念な最期であった。 これまで王騎や麃公、信も龐煖と一騎打ちを演じたが、勝てなくもそれなりに龐煖と渡り歩いた。それからすると瞬殺された劇辛の強さには少々疑問が残ることとなった。 【結論】救国の英雄だったが、ただの将軍級? 咸陽陥落を阻止するための最後の障壁・ 戎籊公(じゅうてきこう)「ワテギ」 嬴政の戴冠を阻んだ毐国(あいこく)のクーデター。陥落寸前の咸陽での最後の強敵が異民族戎籊の王ワテギだったが・・・! 嬴政が成人し国家運営の全権を得ることで本格的な中華統一の道が拓かれる加冠の儀。それを阻止したかった丞相呂不韋(りょふい)の策謀により、太后とその愛人である嫪毐(ろうあい)が企てた毐国の反乱。 信が急遽救出に向かい反乱軍の将軍を討ち嬴政の嫡子を守るも、咸陽はワテギの入城により陥落寸前まで攻め込まれる。それを迎撃に向かったのが普段は前線に出ない軍総司令の昌平君であった。 昌平君が放った包雷という陣に退路を無くすワテギに対し部下は退却を進言するが、「最強の男が王になる、今の王の俺を信じるか?」問いかけ、包雷へ唯一の対策となる主攻への突撃に打って出る。 包雷を読む知略を持ち合わせ勇猛な戎籊の王ワテギだったが。昌平君はそれを蛮勇だと吐き捨て、追う手間が省けたとして正面からぶつかっていく。 そしてワテギとの一騎打ちになった瞬間、昌平君は容易くワテギの首を刎ねてしまった。 昌平君は若き頃蒙武より強かったという逸話があるほどの勇将であったが、これまで前線に出なかったためその強さは未知。しかし信も驚愕するほどの強さを持ち合わせる武将であることが分かる印象的なシーンだった。 異民族戎籊の王として最強の男と自負し、部下を鼓舞したワテギであったが、あっけない幕切れとなった。 【結論】戎籊の王は大したことなかった 以上、キングダムの疑惑のハッタリ武将たちでした。戦った相手の強さによって相対的に描かれていることから、必ずしもここで紹介した武将が弱かったかというとそうでもない可能性もあるものの、触れ込みや言動から比較して残念な最期を迎えたキャラクターたちだったと言えます。

【桓騎の虐殺・奇策録】名将かつ悪将の桓騎がキングダムで起こした奇想天外の策の数々

サムネイル画像:作画引用・出典 キングダム (原 泰久) 集英社 残虐にして色気と魅力を放つ人気キャラクター桓騎。秦軍を勝利に導くも時に虐殺もいとわず敵を追い詰める奇策の数々を徹底解剖・・・! キングダムを語るうえで外せない将軍桓騎(かんき)。多くの戦地で武功をあげるが、そのやり口は時に残虐無比で敵を震い上がらせてきた。 元野盗で首切り桓騎の異名を持ち、多くの荒くれ者を束ねる恐るべき人間だが、人の心理につけこんだ知略や人間味も持ち合わせる。時にユーモラスであり端麗な容姿を持ち、色気を放つ人気キャラクターだ。 そんな桓騎の虐殺劇や奇策を物語と共に紹介しよう。 ※物語のあらすじと共に紹介しているのでネタバレを含みます。 敵兵の目玉を袋詰めして大量に送り付ける・・・!敵に扮して本陣急襲!圧倒的インパクトを残した初登場(20巻~@山陽攻略編) 敵兵の目玉をくり抜く。串刺しにする。初めて明るみになった残虐性は噂通りだった・・・! 蒙驁(もうごう)大将軍の副将として王翦(おうせん)と共に山陽の地で初登場した桓騎。敵の実質的な総大将は元趙の三大天の廉頗(れんぱ)。廉頗四天王として秦を苦しめる知将の玄峰(げんぽう)と介子坊(かいしぼう)。その対応にあたったのが桓騎だった。 ゲリラ戦、心理戦で介子坊を追い詰める 山中で陣を細分化しゲリラ戦を仕掛ける桓騎。討った敵兵の目玉をくり抜き袋詰めして大量に介子坊陣営に送りつけたり、敵兵を串刺しにして見せしめにするなど介子坊を動揺させ追い詰めていく。 魏軍の兵に扮して玄峰本陣へ侵入し、玄峰を討つ 追い詰められる武将の介子坊から軍師の玄峰に指揮を移譲するが、それも束の間、大胆にも魏兵に扮した桓騎が数騎で玄峰本陣に潜入する。寸前にそれに気づいた玄峰が桓騎を弟子にしてやるから寝返れと口説くも、あえなくあっさり首を刎ねられてしまう。 最後は総大将の白亀西を討ち取り蒙驁の窮地を救う 蒙驁と廉頗が秦の本陣で激戦を繰り返し、秦本陣が陥落間際になった際に、魏の本陣から狼煙が上がる。玄峰を討ち取った後に魏の本陣へまたしても魏兵に扮した桓騎が潜入し、形式的に総大将を任されていた白亀西(はくきさい)を討ち取っていたのだ。 桓騎は白亀西へ命乞いしたら助けてやると言うも、白亀西はそれを拒否し、あっさり桓騎に刺殺されてしまう。刺した後も、さっきの威勢はどうしたと、いたぶる姿が桓騎らしい。 結果、王翦軍がほぼ無傷で残っていた点もあり、廉頗はこの戦は詰んだと和睦を申し入れ、秦は勝利を掴む。 初登場にしてその残虐性とゲリラ戦、命知らずで大胆な襲撃策を繰り広げる桓騎は強烈なインパクトを与えた。 国門函谷関の陥落を防いだ桓騎の大胆不敵な計略と、熱き老将の壮絶な最期(28巻~@合従軍侵攻編) 残虐だけじゃない!陥落寸前の函谷関を守った桓騎の勇敢かつ大胆な策に熱き将たちのドラマが 秦国を震い上がらせた5ヶ国連合の合従軍の侵攻。国門函谷関は韓の成恢(せいかい)の毒による攻撃と魏の呉鳳明(ごほうめい)による井闌車と床弩車による攻撃により陥落寸前の危機に瀕していた。 そこで桓騎は門にかけられた井闌車へ煙幕を放ち、火を放たれたと勘違いした敵が混乱するうちにわずか100騎にも満たない兵力で地上に降り立つ。それは、魏軍の兵に扮して敵本陣を急襲するという奇策だった。万一敵に露見すれば絶体絶命の策に味方も不安にかられるが、桓騎は「全部 上手くいく」と微笑む。 桓騎と共に陥落間際の函谷関に釘づけの敵兵は桓騎たちに全く気付かず、毒により死期が迫る老将張唐と共に成恢の本陣に行き着く。 そして、敵の急襲に怖気づき逃げる成恢を毒の影響で絶命間際の張唐が一刀両断し韓軍は崩壊する。桓騎は混乱に乗じて撤退の際にも床弩車を破壊していくなど、国門陥落の危機を持ち前の度胸と知略で防いだのだった。 この出来事の前夜に張唐は桓騎に「なぜ秦国の武将をしているのか?」と問いかける。それに対して「武将だなんだと偉そうにしているやつより戦が抜群に強いからだろ。秦がどうなろうが知ったことではない」と桓騎は吐き捨てる。しかし、張唐は桓騎の度胸・戦略眼に一目置き、絶命の間際に「秦国一の将軍になれ」と桓騎に伝え絶命する。馬上から崩れ落ちそうな張唐を落馬せぬよう掴み、調子が狂うジジィだとつぶやく姿に冷酷ながらも人間味を感じさせるのだった。 蒙驁の弔いと、魏兵を火あぶりの刑に・・・!(34巻) 残虐で冷酷な桓騎だが、副将として仕えた蒙驁には尊敬の念を持っている人情も 合従軍の侵攻を防いだ秦。諸国も損耗の影響が癒えない中、翌年は敵国との大きな衝突はなかった。 そんな中、老将であり長く秦を支えてきた蒙驁が孫の蒙恬らに看取られ亡くなる。 数少ない戦の中で、桓騎は魏の汲を陥落させるが、直ちに降伏しなかった敵兵を火あぶりの刑にし惨殺する。それを副将として長く使えた白老蒙驁へのたむけだという姿に、冷酷ながらも人間味が溢れる姿を見せるのだった。 一方で王翦は魏の慶都を攻め落とすが、一生自分に忠誠を誓う引き換えに命を救うという、両者蒙驁の副将だった同士が敵に対して対照的な対応をする点も、それぞれの個性を見せる象徴的なシーンとなった。 総大将桓騎の残忍性が内輪の衝突にも発展した黒羊丘の戦い。村民を虐殺し亡骸のアーチを作り、紀彗を精神的に追い込む(43巻~@黒羊丘侵攻戦編) 趙への本格的な侵攻の要となる黒羊丘の戦いの総大将となった桓騎と、従軍した飛信隊。そこには戦に対する決定的な考え方の違いが 趙を進行するにあたり要所となる黒羊丘は密林と丘から成る攻略の困難な地形をしており、ゲリラ戦を得意とする桓騎が総大将に任命された。 初めて桓騎とまみえる信だったが、いままで出会った将軍とは異質な雰囲気を放つ桓騎に戸惑う。桓騎は信に大人の戦いを教えてやると意味深な言葉をかける。 秦軍は趙の総大将の慶舎(けいしゃ)と離眼城から出撃した勇将紀彗(きすい)らに苦しめられるが、桓騎配下のゼノウや雷土(らいど)、砂鬼(さき)家などの残虐性に富む元野盗らのセオリーを無視した戦いぶりと、相手の心理を読んだ桓騎の知略により慶舎を追い詰め最期は信に討ち取られる。 桓騎の卑劣な計略により秦は勝利を収める 慶舎の腹心岳嬰(がくえい)は、総大将が討たれたものの戦略的に優位な丘を趙が取っていたため紀彗に抗戦し巻き返すことを進言する。 紀彗は過去離眼城で子供たちを守るために大人たちが虐殺されるという悲劇のトラウマと、その経験から離眼の子供たちを必ず守るという使命を持っていた。 その過去を見抜いていた桓騎は戦地の村人たちを虐殺し、亡骸のアーチを作り紀彗に「離眼城の子供たちにも同じ目に合わせる」と見せしめる。紀彗は勝利より離眼城を守ることを優先し丘を明け渡すのだった。 この出来事を契機に衝突する信と桓騎 紀彗軍の勇将劉冬(りゅうとう)と刺し違え致命傷を負った際に、戦地の村人に命を救われていた羌瘣(きょうかい)は、桓騎軍がその村人たちを虐殺していた場面を目の当たりにし、怒りにかられ軍律で禁止されている同士討ちをしてしまう。 その後、桓騎軍の虐殺と凌辱に激高した信と羌瘣は桓騎と衝突するが、尾平(びへい)が仲裁に割って入ったことでなんとか事なきを得る。 しかし、桓騎兵にそそのかされて尾兵が村人の宝石を盗んでいたことが露見したことで信と仲間割れをしてしまうが、最終的には飛信隊は桓騎軍と違い心が潤っているから虐殺も凌辱も必要とせず共に戦っていけることを再確認し絆を深めるととなった。 虐殺・凌辱・盗み、野営地には娼婦がいて兵卒が宝飾品を身にまとう桓騎軍。命をかけて戦地にいる見返りとして、それらを正当化する元野盗集団の桓騎軍と、共に戦うことを自由意志の中で選び結束する飛信隊。両極端な二人の考え方が如実に表れる戦だった。しかし、桓騎の計略により秦は想定より大幅な損耗で勝利を収めたという事実も同時に存在し、大義を掲げる自国の最小損害のために他国の民衆ですら無残に犠牲にすることの正当性や倫理観の是非を考えさせられる戦いだった。それを含め、桓騎は信へ大人の戦いを教えてやると語ったのかもしれない。 鄴侵攻編では王翦の計略により、鄴城内の兵糧攻めをしたたかに成功させる桓騎。今後のストーリーで残忍かつ人間味がある不敵な魅力を放つ桓騎をはじめ、配下のオギコ、黒桜(こくおう)、摩論(まろん)、雷土らの活躍に目が離せない。