名シーン

【キングダムで英語】キングダムの名シーンを通して覚える英語② 胸アツの名言を英語バージョンでご紹介

サムネイル画像: 作画引用・出典 キングダム英語版 (原 泰久) 集英社 日本だけでなく全世界で読まれているキングダム!物語で登場する名言の英訳をご紹介!日常で言えたらかっこいい!? キングダムの名シーン・名言の英訳を通して英語を勉強するシリーズ第二弾。今回は比較的短文の名言を英語でどう言うかを海外版のコミックを抜粋してご紹介! 第一弾の記事はこちらからどうぞ キングダム名言集 英語ver. 「いいな 信!! 託したぞ!!」漂(1巻) 「いいな 信!! 託したぞ!!」 Do you hear me,xin?! I’m entrusting this to you! Do you hear me=分かったか?entrust=委託する “Do you hear me”(分かっているか?/いいか?)”Can you hear me”(聞いているか?)など、そのまま投げかけに使えるセンテンスは日常で使う頻度が高いため覚えておくと便利だ。 「俺を天下に連れて行ってくれ。」漂(1巻) 「俺を天下に連れて行ってくれ。」 Take me with you across the world. Take me with you =俺も(あなたと共に)連れて行ってくれ across the world =世界中に “Take me with you”は一緒にどこかへ連れて行ってほしい際にそのまま使えるセンテンスとして活用頻度が高い語彙だ。 「奴らの見た夢を現実のものに変えてやれよ!!」信(3巻) 「奴らの見た夢を現実のものに変えてやれよ!!」 Then turn dreams they had into a reality!! turn ●● into a reality=●●を現実に変えるdreams they had =彼らの持っていた夢 「戦は”数”じゃねェ ”人”だ」信(9巻) 「戦は”数”じゃねェ ”人”だ」 Battles aren’t about numbers. They’re about the people. ○○ is/are not about ●●, ○○ is/are about ●●○○は●●じゃない、○○は●●だ そのまま単語を入れ替えて使えそうなセンテンス。 「全軍 前進」王騎(11巻) 「全軍 前進」 All troops. Advance. troops=軍隊advance=前進 ビジネスシーンにおいても何かをスタートさせる際に行ってみたいパワーのある一単語”Advance”。 「共に中華を目指しましょう 大王」王騎(16巻) 「共に中華を目指しましょう 大王」 Let us aim for all of china together, your majesty. Let us aim for ●●=●●を目指しましょうall of china =中国全土your majesty=陛下(君主に対する尊称) リーダーがビジネスにおいてメンバーと共に共通目的を目指すメッセージを伝える際に”Let’s aim for~”は使えるイディオムだ 「だってそれは この期に及んで一発逆転の好機が生まれたって話だろ!」信(19巻) 「だってそれは この期に及んで一発逆転の好機が生まれたって話だろ!」 ‘Cause isn’t this your chance to make a huge turn-around!? ‘Cause(Because) isn’t this~ =これは~ではないのか? your chance to make~ =~するあなたの好機 huge turn-around […]

【キングダムで英語】キングダムの名シーンを通して覚える英語①「蕞の民に語る嬴政のスピーチ」英語バージョンを解説

サムネイル画像:作画引用・出典 キングダム英語版 (原 泰久) 集英社 日本だけでなく全世界で読まれているキングダム!その英語バージョンを紹介し、名シーンを通して英語を勉強しよう! 日本の漫画文化は海外でも高い評価を得ている。ドラゴンボールやワンピースといったような人気漫画をはじめキングダムも海外の言語に翻訳されて出版されている全世界で愛される漫画の一つだ。 この記事ではキングダムの名シーンがどのように英語に翻訳されているかを通して英語を勉強できるよう解説している。 まずは、合従軍侵攻編にて秦王の嬴政が蕞の住民に語り掛けた名シーンにおける嬴政の全編スピーチの英訳を通して英語の語彙を学んでみよう! 蕞での嬴政のスピーチ英語ver. I am EI SEI the king of QIN.(秦王嬴政である。) 「秦王嬴政である。」 I am EI SEI the king of QIN. QIN=秦 king of QIN=秦王 「よく聞いてくれ、蕞の住民よ。」 Hear me well, o peaple of SAI. o peaple のoは呼びかけ o(~よ) peaple of SAI(蕞の住民) 「知っての通り、六十万規模の合従軍が函谷関に迫り交戦中である。」 As you all know,we are currently embroiled in battle with the 600000 strong coalition army at KANKOKU pass. embroiled in battle 戦いに巻き込まれる=交戦coalition(連立した) army(軍)=合従軍  「兵士の奮闘により、函谷関は何とか持ちこたえそうだ。」Due to the valiant efforts of our soldiers, we have somehow managed to hold KANKOKU pass. valiant(勇敢な) efforts(努力)=奮闘 somehow(何とか) managed to hold(保持することができている) 「だが、敵の別働隊三万が南道に入り、もはや咸陽の喉元であるこの蕞に迫っている。」However enemy detachment of 30000 troops has slipped into the southern passage and is already closing in on this city of sai,the last line of defence before KANYOU. detachment(分離した) troops(軍)=別動隊the last line(最終ライン)=喉元 「敵軍を率いているのはあの趙三大天李牧と龐煖だ。」The enemy army is led by RIBOKU and HOUKEN of the ZHAO three great heavens. led(導く) ZHAO=趙 three great heavens=三大天 そして、咸陽にはこれを迎え撃つ準備がない。 However… KANYOU has not prepared itself to conbat […]

【リーダー必見】キングダムがビジネスに役立つの10の要素を知り経営・出世に役立てろ

サムネイル画像: 作画引用・出典 キングダム (原 泰久) 集英社 経営者やビジネスパーソンが仕事に役立つと評するキングダム!それはなぜか?そこに隠される10の理由・要素を解説。 世の中のビジネスパーソンから絶大な支持を得るキングダム。その背景には紀元前の中国、春秋七雄と呼ばれた7つの国家が群雄割拠する乱世の時代において、 中華統一という大義を掲げる若き国王と、戦争孤児の下僕だった主人公が天下の大将軍への成り上がりを夢見るストーリーが、現代経済を生きるビジネスパーソンに共感でき学べる点が多いところであろう。 経営者、起業家、役員・幹部のようなリーダーシップ・カリスマ性を発揮しなくてはならない人たちや、将来の処世を目標とする若手も含め様々な立場の人々に勇気と知恵・信条・考え方を教えてくれるキングダムの物語に含まれる、ビジネスに役立つ10の要素を解説する。 キングダムがビジネスに通じる10の要素 経営や組織運営において必要な様々な要素が存在するが、キングダムの物語でそこに通じる点は以下の10個であろう。 ビジョンの共有 信条の共有 動機付け 発信力 処世 戦略 右腕 人材配置 組織階層 経営と執行の分掌 経済社会でリーダーと呼ばれる人たちには命題的な要素が多いと思うだろう。それらをエピソードを交え1つ1つ見ていきたい。 1.ビジョンの共有 なぜやるのか?なんのためにやるのか?組織のトップがメンバーへその先の展望や理想を落とし込み、共感を得ることは、組織運営上非常に重要な要素である。 キングダムでは主人公の一人である秦国の若き王嬴政(えいせい)が、これまで誰も成しえなかった中国を統一国家にすることをビジョンとして語る場面が幾度となく登場する。500年以上続く血で血を洗う乱世を、中華統一という方法で終結させ平和をもたらすという展望を持ち、それがただの夢ではなく実現するための明確な手段や考え方も同時に持っている。 それを信じることができ、共感できるからこそ、秦国の武将・官僚たちは身を挺して行動する。 代表的なエピソードとして、物語に序盤に弟のクーデターによって王宮を追われた嬴政が山の民の女王楊端和(ようたんわ)へ協力を打診しに行った際に志を語り協力を得るシーンや、7国のうちの一国である斉の王ですら共感させ、味方につけるシーンがある。 また、主人公の信は自らを王の金剛の剣であると喩え、嬴政のビジョン実現のために戦っていることを自負する。 もともと王宮内の権力闘争の敵であった丞相呂不韋(りょふい)の筆頭家臣であった秦軍総司令の昌平君(しょうへいくん)も嬴政のビジョンに共鳴した一人だ。 嬴政が成人し権限を持つ前にそれを阻止したかった呂不韋は、太后をそそのかしクーデターを謀るも、昌平君は呂不韋から寝返りそれを鎮圧する。それにより呂不韋の権力は失墜する。 嬴政の確固たるビジョンに共感し、多くの仲間が共通目標を実現していくため協力していく姿を通してビジョンの共有が組織を動かすうえで非常に重要であると気づく。 2.信条の共有 信条とは、正しいと信じている価値観や考え方である。キングダムの時代背景は、現代の基本的人権に基づいた法治社会と異なり、権力構造もまちまちで無秩序や横暴も存在する時代だ。 1に記述したビジョンの共有においても、その手段の是非によっては人それぞれの価値観において相容れないこともある。 例えば嬴政が中華統一をビジョンとして掲げるが、その手段を呂不韋は「金」だと語る。金、つまり経済が人を治めると。それに嬴政は人の「光」だと反論する。また、後に斉王には「法」のもとに国家を治めるべきだと語る。一方で趙の李牧(りぼく)が7国同盟を提案するが、嬴政は現世代がこの世を去った後の時代にそれが継続する保証がないと、武力での統一を掲げる。将来の平和のために、一時的な武力の行使は是と語るのだ。 また信条を共有する代表的なシーンとしては、魏を攻める桓騎(かんき)の軍に信を大将とした飛信隊が従軍した際に、飛信隊の尾平が略奪と繰り返していた桓騎兵にそそのかされて敵国の村民の宝石を盗んだことが露見し隊を追放されてしまう。 信の初陣から、信を支えてきた尾平。その後、信は尾平へ自分が描く理想の大将軍像を語り、自らの信条のために隊の仲間へ色々と我慢させて申し訳ないと謝罪するが、尾平はそんな信の考え方に惚れているからこそみんな自分の意思で信と戦っているし、潤っていると伝え、絆が深まるのだった。 自らが正しいと信じる価値観を伝え、仲間がそれに共感するからこそ、ブレずに行動でき、ビジョンの実現を近づけるということを学ぶことができる。 3.動機付け 人を動かすためには何を行動の源泉にするのか?という動機付け(インセンティブ)が重要となる。特に経営や、組織マネジメントに関わるビジネスパーソンにおいては命題的なテーマだと言えるだろう。キングダムのストーリーの中には、いかにして人を率いて人が動くのか?という動機付けにまつわるエピソードが多く存在する。 主人公である信が百人将だった時代から数々の修羅場をくぐり抜けてきた古参の忠臣である渕(えん)は、魏の著雍を攻める際に困難な戦局で非常に重要なミッションを任される。他の武将と比較し凡庸な渕の抜擢を不安視しる声があるなか、古くから信を支えてきた責任感から、渕はそれを決死でやってのける。 また、同じく同郷で初陣から信と共に戦っていた尾平は、桓騎軍に従軍した際に桓騎兵が侵攻した敵国の村民から略奪や凌辱を繰り返す姿を目の当たりにする。桓騎兵は命をかけて戦っているのだから役得であると無法行為を正当化する。 結果そそのかされて尾平は飛信隊ではタブーであった盗みを働いて隊を追放されてしまうのだが、その後信と会話の際に飛信隊は心が潤っているから略奪や凌辱なんて必要ないんだ・みんな自分の選択と意思で信についていってるんだと語る。 同じ戦場でも自分がつかえる人間の信念への共鳴する人もいれば、金や欲望を満たすことを動機とする人もいることが垣間見える場面だ。 楊端和の右腕であるバジオウも、幼少期に楊端和に命を救われたことで楊端和を守り続けると決め、趙の遼陽攻略の際に絶体絶命になった楊端和を命をかけて窮地から救う。同じく、戦争遺児だった輪虎(りんこ)も、廉頗(れんぱ)に拾われたことを天命と信じ、自らを「廉頗の剣」と語りあらゆる戦場を戦い抜いてきた。 一方で、王弟成蟜(せいきょう)が飼い慣らした怪物ランカイは、子供のころから成蟜に恐怖を植え付けられて調教され成蟜の言うことはなんでも聞くようになり、信を阻む強敵となる。しかし、信に致命傷を与えられたことで最後は戦意を喪失して言う事を聞かなくなり、恐怖というインセンティブが継続しないことを物語っている。(ちなみにランカイはその後山の民に引き取られ、蕞の防衛戦では秦を守る力となった) 人が動く動機には大きく「恐怖・欲望・信念」と言われるが、あらゆる方法で動機付けをするシーンを通して、マネジメントへの学びを得られるだろう。 4.発信力 将来の展望、正しい価値観、人が行動するための動機、組織運営においてあらゆる要素を満たしていても、それを人々の前で力強くアウトプットできるかが重要である。言葉にして伝える。リーダーにとって必須スキルだ。 キングダムではさまざまな場面で強い発信力を持ったリーダーたちを描いている。 代表的なエピソードは、敵国5ヶ国が結集して秦を攻めた合従軍侵攻戦において、秦の都咸陽の目前にある蕞(さい)という城が趙軍に攻められた場面だ。蕞の陥落は事実上の秦国の敗北を意味する絶体絶命の戦局に、蕞は決定的に兵力が足りていなかった。最後の手段として王である嬴政自らが蕞に出向き、兵士でない一般の民へ共に戦うよう鼓舞する。 戦場に出たことのない民たちは最初は戸惑うも、王の強いメッセージに心を打たれ共に戦うことを決心する。民に語り掛ける嬴政の力強さ・言葉のチョイス・納得感、人を動かすための発信力の重要性を知ることができるシーンだ。結果、多数の民が命を落としたものの蕞を守り切り母国を守った。 秦王嬴政である よく聞いてくれ蕞の住民よ咸陽には敵を迎え撃つ準備がないつまりこの蕞が敵軍を止めることが出来る最後の城だ もう一度言う蕞 ここで敵を止めねば秦国は滅亡する 恐ろしいのは分かる敵は屈強でこちらは老人・女子供も多い戦えば多くの血が流れ多くの者が命を落とすであろうだが、そなたらの父もまたその父親も同じように血と命を散らして今の秦国を作り上げた 今の生活はその上に成り立つ降伏すれば敗れればそれらは全て無に帰し、秦の歴史はここで途絶える秦人の多くは虐殺され生き残った者も土地を奪われ列国の奴隷になり下がるであろうそなたらの子もまた次の子も それを止められるのはそなた達だけだ 秦の命運を握る戦場に共に血を流すために俺は来た530年続いてきた秦の存亡をかけた戦いだ必ず祖霊の加護がある これまで散っていった者達も必ず背を支えてくれる最後まで戦うぞ秦の子らよ 我らの国を絶対に守り切るぞ! 秦国 国王 嬴政 ※一部割愛(出典 キングダム (原 泰久) 集英社) 秦を代表する大将軍である王騎は、苦境において部下へいつも以上の実力を発揮するようコミットをさせる。しかし、後ろにはいつでもこの王騎がついていると自信をもたせる。 この声を聴く王騎軍の兵士に言い渡します 敵の数はおよそ十倍 ならば一人十殺を義務づけます敵十人を討つまで 倒れることを許しません皆 ただの獣のと化して戦いなさい いいですか ここから王騎軍の真骨頂ですこの死地に力ずくで活路をこじあけます 皆の背には常にこの王騎がついてますよ 秦国 大将軍 王騎(出典 キングダム (原 泰久) 集英社 ) 王騎のカリスマ性に多くを学んだ信も、上述の蕞防衛において、民が力の10割のうち20を出したのだから実力の20を出せと伝える。ただ自分は100を出すとけしかける。 はっきり言って民兵達は十持ってるうちの二十を出しきっただったら俺達は十持ってるうちの三十を出すちなみに俺は百を見せてやる! 秦国 武将 飛信隊リーダー 信(出典 キングダム (原 泰久) 集英社 ) 普段は明るく天真爛漫な若手武将で楽華隊を率いる蒙恬も、部下たちに自分の人柄を活かした発信をして部下を鼓舞する。隊の長所を伝えながら壮絶な決戦へ覚悟させ、長所を評し自信を持たせ、最後には「宜しく頼むよ みんな」とシリアスかつにこやかに伝える。 楽華隊!この隊の長所は気高く冷静な戦い方と血みどろの泥臭い戦い方両方ができることだそして今日は 後者だ知ってのとおり こういう乗りは好きじゃないがやっぱり 俺たちにしかできなことが 今目の前にある 今日はひどい死闘になるぞ悪いが宜しく頼むよ みんな 秦国 武将 楽華隊リーダー 蒙恬(出典 キングダム (原 泰久) 集英社) みなそれぞれがもった個性とカリスマ性を活かして、強いアウトプットをして人を動かすのだった。 5.処世 キングダムは、職位や立場に言及するシーンが多い。戦争孤児から大将軍を目指す主人公信だけでなく、ライバルの若武者たちも様々な功績を上げ、切磋琢磨しながら少しずつ出世を果たしていく姿が、経済社会の出世レースに通じる点が多いからかもしれない。 また、「何人を率いているのか?」、「どこまでの責任を負っているのか?」「どうすればその職位たる器なのか?(ただ強ければいいという訳ではない)」など職位に対する指標の明確さが描かれている点も、物語の中で処世が大きな要素を占めていることが分かる。 将軍を目指す信が、先に昇格した同世代の王賁や、臨時で将軍を任された同じく同世代の蒙恬を羨んだり姿に感情移入する。だが、その後信自身も将軍代理を任され見事勝利を掴むなど、追いつけ追い越せの出世劇を見せる。 天下の大将軍になるという明確な目標を持ち、着実に歩みを進める若手武将たち。それぞれの個性を活かしたオンリーワンの中に、唯一無比のナンバーワンを目指す姿に、リーダーを目指すビジネスパーソンの共感を呼ぶ。 6.戦略 キングダムがビジネスに通じる要素として、単なるバトル漫画でなく、あらゆる戦局で細かく戦略を描いている点がある。そのため武将だけでなく、軍師が繰り広げる頭脳戦も数多く描かれている。 ビジネスにおいても、人のスキルや能力を活かし、競合他社の弱点をつき、成功を掴むためには考え抜かれた戦略が重要となる。 例えば秦の将軍王翦(おうせん)は、「私は絶対に勝てる戦にしか興味がない」と豪語するように、いつも緻密に状況を把握し秦軍を勝利へ導く天才。武将にして知略で敵を追い詰める王翦は、敵将と一騎打ちをするシーンはキングダムの物語で一度も描かれていない。勝算なき戦いはしないというのは古代の兵法家である孫氏の兵法に通じる。 王翦が敵国趙を侵攻する上で要所となる難攻不落の鄴(ぎょう)城を攻略するために用いた作戦は、武力ではなく難民を誘導して鄴を兵糧攻めに遭わせるというものであった。全体戦略において圧倒的不利だった秦だったが、鄴が兵糧攻め遭うことで趙と形勢を互角に持ち込む。 一方で残虐で冷酷な将軍桓騎は敵を精神的に追い込む心理戦や、予測を上回った奇策で次々と敵将を葬る。趙の黒羊丘を攻略する際には、侵攻した土地の村人を虐殺し、その亡骸を勝利のネックとなっていた敵の勇将紀彗(きすい)に見せつけることで心理的に追い込み撤退させ、秦の損耗を最小化させ勝利した。 単に武力だけでなく、戦略により形勢を有利に持ち込んだり、戦わずして勝つなどあらゆる戦略で戦いを勝利へ導く点は、その手法の是非はともかくビジネスにも通じると言える。 7.右腕 経営においてリーダーは孤独である。自らの責任において選択・決断をしなくてはならず、組織下からはあらゆる経営判断材料が提示されるが、その是非の判断は最終的にリーダーの責任のもとで結論を出さなくてはならない。 だからこそ、トップに人生をコミットして有能な右腕として存在するナンバー2の存在は非常に重要となる。キングダムの名将たちにも有能な右腕の存在が描かれるシーンが多い。 その最たる例が、秦の六大将軍王騎の右腕を担い、共に戦場を渡り歩いてきた騰だ。 ユーモラスで個性的なキャラクターの騰だが王騎から絶大な信頼を得ており、部下からの信頼も厚く、王騎は死に際に軍の全権を騰へ委譲する。また、王騎の傍らで乱世を渡り歩いてきた経験を自らも自負している。騰の存在が王騎軍の強さを支えてきたことは間違いない。 また、山陽の攻略戦においては信を苦しめた勇将の輪虎。戦争遺児で死にかけていたところを廉頗に拾われた彼もまた廉頗の右腕として自らの人生を廉頗の剣として生きることにコミットし活躍する。 楊端和におけるバジオウ、藺相如(りんしょうじょ)における趙峩龍(ちょうがりゅう)・尭雲(ぎょううん)らも重要な右腕として描かれ、信にとっても羌瘣は自らにコミットしてくれている大事な右腕だろう。 8.人材配置 組織運営において、それぞれの適性や強みに合わせて人の配置を采配していくいわゆる適材適所は非常に重要である。有能な人材も適所に割り当てなければ強みが死んでしまう。 キングダムでは数々な困難な局面が訪れる都度、それに見合った人材を割り当てるシーンが描かれている。 例えば、韓を攻めていた秦はその隙をついて趙に馬陽を攻め込まれる。その迎撃に際して、嬴政と昌平君は圧倒的な武力を持つ蒙武を総大将にする思いきや、王騎を総大将に任命した。攻めが得意な蒙武に対して、迎撃戦のような守りが重要となる戦には守功双方を担える王騎が適任だと判断したのだった。結果、副将として従軍した蒙武は敵陣へ武力による突撃を図った末に謀略に嵌り絶体絶命の窮地に陥ることとなった。王騎は蒙武の救出に入った結果死すものの、秦は趙を退けることに成功する。 また山陽の武功により千人将へ昇格した信だったが、これまで隊の采配を担ってくれていた羌瘣が姉の仇討のために隊から離れていた間に全く戦に勝てなくなり降格の憂き目にあう寸前に陥っていた。そこに軍師学校で経験を積んだ河了貂が隊に戻ってきたことにより、河了貂の指揮によって成果を取り戻す。信の個の強さだけで武功を上げてきた訳ではなかったことが浮き彫りとなった。 多くの戦の中で、盤上の武将たちをそれぞれの個性に合わせてどう配置するかというシーンが描かれるキングダムの物語の中で、成果のために人材配置がいかに重要かを学ばされる。 9.組織階層 組織組成において階層構造をいかに形成するかが非常に重要となる。適切な組織階層が、教育や理念・戦略の連鎖・浸透を助ける。 物語の中で組織階層の構造が最初に語られるのは、信の初陣で魏と対決した蛇甘平原の攻略戦だ。国中から広く集められた兵卒たちは5人一組の伍を作り、その中のリーダーが伍長となり4人を率いる。伍を20組結集した100人を率いるのが百人将となり、そこから3人の百人将から形成される300人を率いる三百人将、千人将という具合に、武功に応じて率いる隊の規模が大きくなる。王弟のクーデターを鎮圧した際に共に闘った壁が千人将であることに末端の兵卒として従軍した信は驚くが、意に介さずに結果を出して一回の戦で百人将へと出世を果たす。 組織階層に対応して重要となるのが人事制度であるが、キングダムでは漫画の中で戦が終わる都度、「論功行賞」という武功の評定が王宮で行われ、武功に応じて財宝や土地・爵位・職位が与えられる。現代社会においても企業の人事・給与報酬査定により出世や基本給や賞与が評定されるシステムと同じであるから、ビジネスパーソンはキングダムの物語に共感を覚えるのだろう。また、羌瘣が同士討ちをした黒羊丘では、その罪を上官である信が咎められ、敵大将軍の慶舎(けいしゃ)を討ったものの懲戒処分として昇格を保留された場面も現代企業の評価制度・就労規則などに通じる。 信は下僕の出身ながら56巻の段階で将軍の前の五千人将まで上り詰めており、昇格する都度、武力だけでなく統率力や人材配置の術・人心掌握術などリーダーたる資質を高めていき、隊の中でもその考え方が連鎖浸透して隊全体が強化されていく姿が描かれている。信と同世代の王賁率いる玉鳳隊、蒙恬率いる楽華隊も、リーダーの昇格に応じて隊全体の組織階層が伸長し強い組織に変遷していく姿が描かれ、あらゆる角度から組織形成への学びを得ることができる。 そういった組織階層の重要性が多く語られるため、キングダムはビジネスパーソンに支持を受けるのだろう。 10.経営と執行の分掌 歴史活劇の漫画は戦場という現場での出来事ばかりにフォーカスすることが多いが、キングダムでは現場にいない王宮での出来事も多く描かれている。敵国の侵攻、攻略、またクーデターのような内部紛争、窮地が訪れる都度王宮の大臣や官僚たちが王と共にいかに対応するかを協議する姿や、その中にも内部の権力闘争によるジレンマも共に描かれる点は、現代経済の企業経営においても重なる部分が多い。 合従軍が侵攻してきた時にはいかに国防するかを王宮の武官たちが昼夜を問わず寝る間を惜しんでシミュレーションする姿が描かれていたり、中華統一のための趙国を降伏させるための戦略を軍総司令の昌平君が死に物狂いで考える姿なども印象的だ。昌平君は唯一の攻略策と思われた戦略を総大将の王翦へ授け、現場での不測の事態は王翦の現場判断に委ねる。実際に想定外の事態が起こるも、王翦はその知略を発揮し、現場レベルで代替戦略を打ち立てて趙を苦しめる。こういった運営サイドと執行現場との信頼関係・柔軟な対応は、経営と執行の分掌によるバランスの理想形であると言える。現場を無視した経営の押し付けや、執行の独走が起きると、組織全体の均衡が崩れて事態は失敗方向へ向かってしまう。 さらにビジネスパーソンからして胸アツな点は、王宮に留まる武官たちがいざという時には現場へ降りて戦い、そして圧倒的に強いというところだろう。嬴政の加冠の儀に乗じて咸陽で謀反が起きた際は陥落の瀬戸際で司令官の昌平君が配下の手練れと共に戦場へ出撃し、敵将のワテギを瞬殺し、信たちを驚愕させるシーンがある。現場でも現役武将に引けを取らずに戦える姿が、単なる机上論で戦略を講じている訳ではない根拠にもなるし、現場の信頼を掴む。 武官だけでなく文官も国力の向上に寄与している姿も物語の中で描かれている。元武官の昌文君は国内の治水事業に成果を出し、老臣の蔡沢は外交力で合従軍が発起した際には秦の真逆に位置する斉を辞退させたことで合従軍が戦力を秦へ一極集中できない状況を作ったり、最終的には王同士の会談をセッティングして他国の平定の暁には斉の自主降伏の密約を取り付けるのだった。こういった戦以外の国家運営努力においても王である嬴政を中心に実施されていることが描けれている点も、キングダムの魅力の一つだろう。 以上、キングダムがビジネスパーソンを魅了する10の要素でした!特に組織のリーダーやマネジメントに携わる人には学びが多い点がある程度ご理解いただけたかと思いますが、かいつまんで紹介しているため、ぜひ本編を実際に読んでもらいたいと思います。楽しく読めるビジネス本という観点からあらゆる立場のビジネスパーソンにおすすめです。

【キングダム至高の名言集】人生やビジネスに役立つ心揺さぶる名言・名シーンを心に刻め!

サムネイル画像: 作画引用・出典 キングダム (原 泰久) 集英社 キングダムから学ぶ人の心を掴み動かす方法!物語に散りばめられた名言・名シーンから現代社会に生きるための信念や心構えやビジネスに活かされるテクニックを心に刻もう。 キングダムがなぜここまで人を魅了するのか?その一つに物語で登場する様々なシーンに、人の心を掴み動かす多くの名言が存在しているからではないだろうか。 キングダムを描く時代は中国が7つの国に分かれていた群雄割拠の春秋戦国時代。武力がものを言う乱世の時代だ。国家を率いる王や、何十万もの軍を統率する大将軍が国の明暗を握る中で、どのように人心を掴み、動かすのか?その言葉を通して、特に仕事で人をマネジメントをする立場にあるビジネスマンや、高いポジションへキャリアアップを成し遂げたいと考える人は、あらゆるヒントを得ることができるだろう。 某人事コンサルティング企業やベンチャーIT企業もキングダムを必携推薦図書にしているなど、現代日本を生き抜く知恵をキングダムの名言から学び取るため至高の名言をまとめてみた。 ※物語のあらすじと共に紹介しているのでネタバレを含みます。 「奴らの見た夢を現実のものに変えてやれよ!!」信(3巻@王弟反乱編) 恨みにかられた山の民を味方につけた信の真っすぐな言葉が心を刺す 王弟成蟜(せいきょう)の反乱により咸陽を追われた嬴政。都を取り戻すための唯一の手段は屈強な山の民たちを味方につける他なく、山の民の王である楊端和(ようたんわ)へ協力の打診をしにいくのだった。 かつての山の民は当時の秦王「穆公(ぼくこう)」の分け隔てのない温情に報い、お互い協力し合っており、未来永劫に融和することを夢見ていた。しかし、穆公の亡きあとは秦に迫害・虐殺され、山の民の子孫は秦に対し強い恨みをもっており、山の民のもとに赴いた嬴政や信は捕らわれてしまう。秦への恨みを語り、信を処刑しようとした時に信が山の民に向けて放った言葉が状況を変える。 無念無念ってうっせェんだよ!! 大体一番の無念は夢見てたものが幻に終わったってことだろうが!! ・・・・・もしお前らが本気で死んだ奴らのことを想うのなら 奴らの見た夢を現実のものに変えてやれよ!! 秦国 信( 出典 キングダム (原 泰久) 集英社) 信の放った真っすぐな正論に思わず嬴政も「お前にしては上出来だ」とつぶやく。その後嬴政が楊端和に自分が中華を統べる最初の王となると志を語り、その想いを信じた楊端和が援軍となり咸陽を攻め、成蟜のクーデターを鎮圧することに成功するのだった。 映画キングダムでもハイライトシーンの一つとして描かれているこの場面。 先祖の無念に報復することが是と考えていた山の民に、先祖の夢を実現することこそが本当の報いであると説く信。それはキングダムの時代から2000年以上経った現代でも世界中で起こっている紛争やテロのような報復の連鎖に対して、本来目指すべき世界が何なのかを問いかけているようだ。 「勇猛と無謀は違う そこをはき違えると何も残さず早く死ぬ」縛虎申(7巻@信初陣(蛇甘平原)編) 信が初陣で出会った特攻の猛将縛虎申(ばくこしん)が信にかけた言葉。無謀のように見えた将が語った言葉だからこそ胸に刺さる 信の初陣で、信は麃公(ひょうこう)の配下の千人将であり、歩兵からは特攻好きのイカレた将校と噂される縛虎申の隊に所属することとなる。魏軍の戦車の前に秦軍は多大な損害を受けるが、信の活躍もあり敵将宮元(きゅうげん)のいる丘までなんとか行きつく。 縛虎申は信と共に突撃し、黄離弦(こうりげん)の矢を受け致命傷を負いつつも宮元と刺し違え、討ち取ることに成功する。 しかし、制圧した丘へ敵軍1000人が奪還に向かっており、わずか10人程の縛虎申兵は丘を明け渡し退却を進言するも、信が兵士の犠牲と縛虎申の命と引き換えに奪った丘を守るためには命をいとわず戦うと意気込む。そんな信へ 死に際の縛虎申はこう諭すのだった。 ・・・・・フフ 小僧 信・・・・・・いいか 信 勇猛と無謀は違う そこをはき違えると何も残さず早く死ぬ 皆と共に丘を降れ 命令だ 秦国 縛虎申(出典 キングダム (原 泰久) 集英社) 歩兵の命もいとわず突撃する無謀な将校に見える縛虎申だったが、勝利という目標達成のために命を懸ける場面と、引く場面をわきまえるこのできる知将でもあった。 戦地の混乱に動揺する歩兵に配慮し壁(へき)が退却を進言した際も「貴様は歩兵を助けるためにわざわざ戦地にきたのか?それとも魏軍に勝利するためにきたのか どっちだ!!」と檄を飛ばす場面や、多大な損害が起きている中でも麃公を信じ切る点、味方が多数死んだ時ほど無茶をすると評される点など、単なる無謀な将ではなく、勝利のために人を信じ・人の死を犠牲にせぬよう、最後は自らの命と引き換えに敵を倒すという強い信念を持った将であった。初陣でこのような将校と共に戦った経験は、信の考え方に大きく影響を与えただろう。 臆病と無謀の中庸にあるのが勇猛である。臆病では大義を成せず、無謀では命を落とす。感情にかられた無策な行動は無謀であり、大義を成すためには戦略に裏付けられた勇敢な行動が必要であると学ばされ、その考え方は現代の経済社会にも通じる点が多いのではないだろうか。 「あなたは誰よりも偉大な王になれます。」紫夏(8巻@政暗殺編) 心を無くした政を蘇らせ、中華統一を目指す王としての信念の礎となった紫夏の言葉 政は王の血統の中でも位が低かったことから幼少期に母親と共に趙の人質となっていた。趙はかつて秦に戦で敗北した際に捕虜を40万人生き埋めにされるという凄惨な出来事があり、その恨みから秦王の子である政は趙民からひどい虐待と迫害を受けていた。 そのため政は感情と感覚を失い、腕に矢が刺さっても痛みを感じないほどであった。 秦王が崩御したことにより政は趙から脱出を図るが、秦の後継者となった政を生かすまいと趙の刺客が追走する。そこを守ったのが趙の闇商人である紫夏(しか)だった。人から受けた恩は次の誰かに受け継ぐよう父から教えられていた紫夏は命を懸けて政を守り、その姿を見て政は次第に失った心を取り戻していく。 紫夏は秦の国境目前で敵の刃に倒れ、絶命の間際に政へこう伝える。 あなたは生まれの不運により およそ王族が歩まぬ道を歩まされた・・・ しかし 逆に言えばあなたほどつらい経験をして王になる者は他にいません だから きっと あなたは誰よりも偉大な王になれます 趙国 闇商人 紫夏(出典 キングダム (原 泰久) 集英社 ) 紫夏の最期の言葉が嬴政の中華統一への信念の礎となり、秦を率いる誇り高き王への成長を遂げたのだった。 自らつらい経験やどん底を味わったからこそ、あらゆる困難に立ち向うことができ、人の痛みが分かり、人の心を掴むことができる偉大な人間になることがかなう。苦難・困難が人を成長させることを教えてくれるかけがえのないメッセージだった。 「仲間の力込みで、、お前の力だ。信、、、 」尾到(14巻@馬陽攻防編) 強さは一人だけの力ではない。自分を信じて賛同し協力してくれる仲間たちの力が結集することで大いなる夢が近づく。 王騎を総大将とする秦軍は馬陽で趙軍を防衛するための激戦を繰り広げる。信は百人将ながら飛信隊の仲間たちの支えもあり、敵将軍の馮忌を討ち取るなど大きな武功を収める。 そんな中、秦の宿営地に武神・龐煖が急襲し、多くの死傷者が出る。龐煖に果敢に立ち向かう信であったが歯が立たず討たれる間際、飛信隊の仲間たちが信をかばい救出する。そして初陣から信を支えてきた同郷の尾到が瀕死の信を背負い混乱を逃れ、敵襲が追走するも安全な場所へ避難し信は命拾いする。 逃走時に深手を負っていた尾到は信に「本気で将軍になれると思うか?」と問いかける。いざ戦場に出ると下僕が将軍になるのはまさに”夢”みたいな話で、どれだけ死地を乗り越えればいいのか?一度死んだら全員それで終わりだと。 そして尾到は続ける、 だけどお前は龐煖相手に生き残った 隊の皆が命をかけてお前を守ったからだ 命令でもないのに命がけで、、、 これはふつうのことじゃねェ、普通の隊長にはできねェよ信 だから思ったんだ。信は本当に将軍になれるってな。 名だたる大将軍達、、、あの王騎将軍でさえきっとこういう場面を繰り返して来たんだと思うぜ、、 仲間の力込みで、、お前の力だ。信、、、 秦国 飛信隊 尾到(出典 キングダム (原 泰久) 集英社 ) 尾到は今回の戦で多くの死者が出たが、俺たちは戦をしているんだから死人も出る、それで下を向く必要はない、みんなお前と一緒に夢を見てェと思ったんだ と信を励ます。 それでいいんだ、、、これからお前はそうやって 大勢の仲間の思いを乗せて天下の大将軍にかけ上がるんだ 絶対なれるぞ、、、信、、、 秦国 飛信隊 尾到 尾到はそう語ると眠りにつき、もう二度と起きることはなかった。 自分一人の力ではなく、同じ夢を追いかけることができるそれぞれの力をもった仲間たちの協力があるからこそ夢を実現できる。そういった仲間を惹きつける魅力があることが信の最大の武器であることを伝えた尾到の最期の力強いメッセージだった。 自分一人ではできないことも、それを実現させてくれる多くの仲間の力があるから夢が現実のものとなる。組織戦で戦う現代ビジネスにおいても、大義を成すには人を魅了し、人を率い、人の力を借りることの重要性を教えてくれる尾到の尊い最期であった。 「だってそれは この期に及んで一発逆転の好機が生まれたって話だろ! 」信(19巻@山陽攻略編) ピンチと捉えるかチャンスと捉えるかは自分次第。信の無邪気だが熱い言葉が老いてもまだ成長できることを教えてくれる。 秦が魏の山陽へ攻める際に総大将に任命された老将蒙驁(もうごう)の前に立ちはだかったのは、かつて一度も勝つことができなかった因縁の相手であり猛将の廉頗(れんぱ)だった。蒙驁は戦の相手が廉頗と知り、心の中で動揺する。 蒙驁は戦の前夜に身分を隠して宿営地を徘徊する癖があり、そこでたまたま出会ったのが信であった。信に「過去一度もケンカで勝てなかった相手と再び戦う。自分は老いたが、相手はむしろ猛々しい。深刻じゃろ?」と相談する。 すると信は悩む蒙驁を意に介さずこう言うのだった。 悩む意味が全っ然わからん だってそれは この期に及んで一発逆転の好機が生まれたって話だろ! ケンカってのは最後に立っていた奴の勝ちだ 次勝って勝ち逃げしてやれよ!そうすりゃじーさんの総勝ちだ! 秦国 信(出典 キングダム (原 泰久) 集英社 ) また負けるかもと後ろ向きに考えるより、勝つ機会が訪れたチャンスだと前向きに捉えるべきだと説く信。蒙驁はこの言葉をモチベーションに自信を持って戦い、廉頗の一騎打ちで実力を上回る力を発揮し、片腕を失うものの秦を勝利に導いた。蒙驁が初めて廉頗に勝った瞬間であった。 現代社会でも負け癖がつくと、好機を危機と感じてしまうことがある。しかし、そういった状況であるからこそ地力を超える成長を遂げ、大きな成果を手に入れることができる。ピンチこそチャンスであることを教えてくれる場面だった。 「私は”絶対に勝つ戦”以外興味はない」王翦(21巻@山陽攻略編) 「やること」より「やらないこと」を選ぶ。知略に富んだ王翦の不戦のポリシーに勝率を高める原理原則を学ぶことができる 蒙驁の副将として山陽に参戦していた王翦(おうせん)は、廉頗の四天王のうち中華十弓の一人である姜燕(きょうえん)を迎え撃つこととなる。王翦は壁に五千の兵を持たせ囮とし姜燕(きょうえん)を誘い込み、それに気づかず壁軍を取り囲んだ姜燕軍をさらに王翦軍が取り囲む。しかし、それを先読みしていた廉頗自らが出現し王翦軍を包囲するのだった。 王翦を挑発する廉頗であったが、王翦は誘いに乗らず絶対に勝つ戦以外に興味はないと言い残し退却するのだった。 私は”絶対に勝つ戦”以外興味はない 秦 将軍 王翦(出典 キングダム (原 泰久) 集英社 ) 王翦は退却後、廉頗の急襲をさらに読んでいたかのように岸壁に築いていた天然の要塞に籠ってしまい、魏は手出しができなかった。 その後、蒙驁の本陣が廉頗に陥落されかけるが、桓騎が敵本陣を落としたのと王翦軍が無傷で残っていたことが決定打となり、最終的に廉頗は負けを認め和睦することとなった。 孫氏兵法の基本にもある勝てる算段のない戦はしないという原則。様々な戦略や戦術、経験則から勝利への成功実現性をいかに高められるかを追求し、敗北の可能性があれば”やらない”という考え方は現代のビジネスにも通じる部分が多いのではないだろうか。 「そうじゃねェだろ 俺達はみんなてめェの足で立って戦ってんだ」信(22巻@山陽攻略編) 人は自らの意思で、自らの力で生きている。信を苦しめた勇将輪虎へ送った言葉がアツすぎる。 魏 山陽攻略において信を最も苦しめた武将が戦いの天才輪虎(りんこ)であった。 戦争遺児であった輪虎は廉頗に拾われてその才覚を開花させ、「廉頗の剣」として戦場を巡ってきた。幾度となく信を苦しめたが、最後の決戦で信に対し、自分が廉頗に拾われたのは”天が与えた運命”と語る輪虎。 天に寵愛される武将は一握りその一人である廉頗に天が出会わせた剣がこの僕だってねだからこんなところで負ける訳には・・・ 魏 将軍 廉頗四天王 輪虎(出典 キングダム (原 泰久) 集英社 ) しかし、 信はその考え方を正す言葉を投げかける。 下らねェ さっきから聞いてりゃ それじゃまるで全部が天任せみてェじゃねェかよそうじゃねェだろ 俺達はみんなてめェの足で立って戦ってんだ 今のお前だって廉頗の剣であるべく命がけで戦いまくって来た結果だろうが! 秦国 信(出典 キングダム (原 泰久) 集英社 ) 天命に生きたと自らを評する輪虎に、自分の意思・足で生きてきたんだろ?と正す信の言葉には、武将として凛とし強く気高い輪虎を敵ながら尊敬する想いが感じられる。 強力なライバルとの戦いが、信を心身ともにさらに強くするのであった。 人は自らの意思で選択し、自らの足で生きているんだという信のメッセージは、自分の人生を決めるのは運命でも他人でも環境でもなく、自分自身なんだという原理原則に気づかされるパワーのある名言だ。 「お前には、たまたまそこから引き上げる人間が周りにいなかっただけだ」信(27巻@合従軍侵攻編) 恨みから虐殺を繰り返してきた万極(まんごく)の死に際に送った信の言葉に胸を打たれる! 万極は過去長平の戦いによって秦軍六大将軍だった白起(はくき)により生き埋めという凄惨な殺された方をした40万人の捕虜の戦争遺児たちで構成され、秦への強烈な恨みから虐殺を繰り返してきた。 自らも戦争孤児である信は、乱世の時代では自分も含め誰しもが万極のようになってもおかしくない、ただそこから引き上げてくれるのは仲間の存在がいなかった万極は運が悪かったと憐れんで、もう楽になれと引導を渡す。 違う!! 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【名勝負TOP15】キングダム胸アツ・納得のベストバウトを徹底ランキング!

サムネイル画像:作画引用・出典 キングダム 30巻(原 泰久) 集英社龐煖に討たれた麃公が信に送ったメッセージ 激戦からの勝利。あの将軍の死。漫画「キングダム」で繰り広げられる全ての戦闘シーンを徹底分析し感動の上位15場面をランキング ”強き者をさらに強き者が倒し、歴史は塗り替えられる。だから乱世はおもしろい。” それぞれが背負った想いをぶつける武将たちの熱き戦い 。キングダムの世界を彩る様々な名場面の中でもやはり心揺さぶられるのは歴戦の列将達の決戦シーンを紹介。 全戦を時系列で見たいアナタは「【キングダム 全勝負①】ALL戦闘シーン54戦を最新まで紹介![はじまりから合従軍編まで]保存版・常時更新」をご覧ください! ※物語のあらすじと共に紹介しているのでネタバレを含みます。 第15位 秦 千人将「信」vs 趙 将軍「万極」合従軍侵攻編 @函谷関 対趙軍(27巻) 万極(まんごく)は過去長平の戦いによって秦軍六大将軍だった白起(はくき)が趙の40万人にのぼる捕虜を生き埋めにした際の生き残り。万極軍も遺児たちで構成され、秦への強烈な恨みから虐殺を繰り返してきた。 万極との戦いが名シーンなのは、秦が中華統一を果たすまでには人が人を殺める乱世が続き、その中で自分も含め誰しもが恨みにかられ万極のようになってもおかしくないと信が感じ、そういったジレンマにも打ち勝ち、信念を曲げない決意を示すところにある。 違う!! 俺だって身内を殺された。だがてめェみてェにはなってねェお前には、たまたまそこから引き上げる人間が周りにいなかっただけだたまたま運が悪かっただけだお前は憐れな奴だこんな気色悪ィ怨念や亡霊共をしょいこまされちまって、こいつらの重みでお前はぶっ壊れちまったんだよ分かってんのか万極、一番呪われちまったのはお前自身なんだぞ! てめェの痛みはしょってってやる だからお前はもう楽になりやがれ!! 秦 千人将 信(出典:キングダム 27巻(原 泰久)集英社) 捻じ曲がった恨みの感情を源泉に戦う万極へ、戦争孤児で下僕だった信は同情し、憐れみながらも討ち取る。信は万極の死に際、秦将として二度と長平のような惨劇は起こさないと誓う。これ以降も中華統一の過程にある乱世の裏腹に正義の定義は何か考えさせられる印象的な戦いであった。 【結果】○ 信 vs 万極 × 第14位 秦 大将軍「麃公」vs 魏 大将軍「呉慶」蛇甘平原の戦い編 @蛇甘平原 対魏軍(5-7巻) 呉慶(ごけい)vs麃公(ひょうこう)の決戦が名シーンである決め手は、天下の大将軍を夢見る信が始めて参加した戦で繰り広げられた大将軍同士の一騎討ち、即ちキングダムのストーリーの中で初めて描かれた大将軍同士の一騎打ちであるということ。 かつて甲という国を趙に滅ぼされた亡国の王族であった呉慶。秦の六大将軍や、趙の三大天と渡り歩いてきた魏国の魏火龍七師の一人であり、他の6人と異なり唯一生き残っていた知略にとんだ大将軍。他国の侵略に凄惨な過去を持つ呉慶は、秦国からの侵攻に知略を忘れ激情にかられ、個の武では圧倒的に勝る麃公に対し一騎討ちを仕掛け善戦するも最後は麃公の前に討ち取られてしまうのであった。 本能と武勇で戦う麃公将軍の姿は、王騎(おうき)に並び信が敬い道標となる将軍像となり、キングダムの世界に無くてはならない猛将の一人と言える。 【結果】○ 麃公 vs 呉慶 × 第13位 秦(嬴政)「信」vs 秦(王弟)「ランカイ」王弟反乱編 @咸陽 王宮本殿 対秦王弟陣営(4-5巻) ランカイとの戦いが名シーンであるのは、無名の下僕であった信がここまで朱凶・ムタ・左慈という数々の刺客に打ち勝ち、強力な怪物であるランカイをまで倒してしまうというポテンシャルを見せ付ける一戦であるという点。 山の民の決死の援護と、壁からの剣を信じろという檄を受け、高く舞い上がった信がランカイの背後から刃を突き刺し、致命傷を負ったランカイは戦意を失う。 信の活躍により王弟成蟜のクーデターは鎮圧され、信と嬴政との中華統一へ向けた乱世の物語が始まることとなる。 【結果】○ 信(バジオウ・タジフ・シュンメン) vs ランカイ × 第12位 秦 軍総司令「昌平君」vs 毐国 将軍「ワテギ」 嫪毐の乱編 @咸陽 対毐国軍(40巻) 嬴政の加冠の儀による王宮の虚をついた毐国のクーデターである嫪毐(ろうあい)の乱編にて最も印象的だったのが、昌平君(しょうへいくん)が呂不韋(りょふい)の四柱ではなく軍総指令として秦国の窮地を救うため自ら打って出たこと。昌平君がただの軍師ではなく、圧倒的な武勇を持ち、敵将ワテギを瞬殺するシーン。 長年にわたる秦国内での秦王嬴政陣営と相国呂不韋陣営との権力抗争は、嬴政が加冠することで終焉を迎えるところだったが、最後に呂不韋が画策した謀略は毐国の謀反に乗じて嬴政陣営を倒すことであった。 信は樊琉期(はんるき)を討ち取り、嬴政の嫡子を護ることに成功するも王宮には秦国へ恨みを持つワテギが生き残っていたが、直前に呂不韋陣営から離反した昌平君が屈強な私兵と共に王宮へ参上し、自らワテギを討ち取ったことで呂不韋の思惑は打ち砕かれることとなった。 【結果】○ 昌平君 vs ワテギ × 第11位 秦 百人将「信」vs 趙 将軍「馮忌」馬陽侵攻編 @馬陽 対趙軍(12巻) 信が憧れる六大将軍である王騎から「飛信隊」という名をもらい、王騎の策略と信の持ち前の強さが知略に富んだ武将である馮忌(ふうき)を討ち取ったシーンは、キングダムのストーリーの中でも”初めて信が将軍級の首級を取った”印象的な場面だった。 蛇甘平原の戦い以来、三大天龐煖(ほうけん)擁する趙軍との戦いとなった馬陽侵攻編は、信が参戦した二回目の大戦であった。陣地や多くの兵を倒すことより一人の有能な武将を討ち取るべきだとする王騎の策略において、遊撃隊の任を受けた飛信隊が仲間達と決死の突撃で馮忌軍本陣を急襲し、最後は信の力が馮忌の知略を超え敵将を討ち取ることに成功するのであった。 【結果】○ 信 vs 馮忌 × 第10位 秦 千人将「信」vs 趙 三大天「龐煖」合従軍侵攻編 @蕞 対趙軍(33巻) 合従軍編の佳境。咸陽の喉元まで差し迫った蕞での攻城戦において、秦王嬴政自らが鼓舞により蕞の民は兵士として戦い耐えし趙を跳ね返したものの最後に現れたのが武神「龐煖」。 馬陽にて戦った際に深手を負い、自らを救出してくれた同郷の尾到(びとう)を亡くしたという因縁の相手であり、直前に尊敬する大将軍の麃公を殺した仇でもある龐煖に対し、信は「超えなくてはならない相手」として一騎討ちに挑む。 馬陽では歯が立たなかった龐煖に対し、龐煖には麃公が与えたダメージがあるものの互角に戦い、最後は致命傷になりかねない一撃を龐煖の胸に突き刺すことに成功する。しかし、龐煖は退かず戦うも、山の民の出現に壊滅状態に陥った李牧が撤退の命令に従い龐煖も退却し両者は決着がつかず、戦は秦が勝利することとなる。 【結果】△ 信 vs 龐煖 △ 第9位 秦 将軍「蒙武」vs 楚 将軍「汗明」合従軍侵攻編 @函谷関 対楚軍(29巻) 蒙武(もうぶ)と汗明(かんめい)との一騎討ちが名シーンであるのはキングダム史上類を見ないほどの壮絶な武と武の激突であるという点。合従軍編で初めて秦と楚の武将との対決が描かれたが、蒙武の武勇を目の当たりにする一戦であった。六大将軍の一人である王齕(おうこつ)を敗走させたほどの猛将である汗明に一歩も引かない蒙武。お互い腕の骨が飛び出る程の打ち合いを見せる。しかし、加勢に入った蒙武の息子である蒙恬(もうてん)が汗明に斬られ致命傷を負い、それに激情した蒙武はとうとう汗明を討ち取る。 汗明に討たれ瀕死の蒙恬へ、蒙武の家臣が最期の言葉をかけてあげてくださいと言うが、蒙武は「その程度で死ぬ倅ではない」と息子の強さを信じる父親としての一面も見せる将軍蒙武の姿に感極まるシーンだった。 【結果】○ 蒙武 vs 汗明 × 第8位 秦 大将軍「張唐」vs 韓 大将軍「成恢」合従軍侵攻編 @函谷関 対韓軍(28巻) 合従軍の侵攻に対し、国門である函谷関を防衛する老将「張唐(ちょうとう)」。長きに渡り秦国の忠臣として祖国に仕えた将軍へ、韓軍の総大将である成恢(せいかい)は姑息にも毒を浴びせ長く持たない体とする。死を覚悟した張唐はこの戦地を最期と定め、桓騎(かんき)の奇襲と共に成恢の本陣へ迫る。 毒を合理的な戦術だと言う成恢であったが迫りくる張唐を前に背を見せて逃走を図るも、数々の戦場を渡りぬいた張唐はその姿に憤り成恢を一刀両断する。 成恢との戦いの前夜、桓騎に「なぜ秦国の武将をしているのか?」という問いに対して「武将だなんだと偉そうにしているやつより戦が抜群に強いからだろ。秦がどうなろうが知ったことではない」と返されるも、桓騎の知略と武力を認め死に際には「秦国一の武将になれ。秦を頼むぞ」と言い残し絶命する。馬上から崩れ落ちる張唐を「調子が狂うじじいだ」と漏らしながらも落馬せぬよう掴み、敬う振る舞いを見せる桓騎。 張唐vs成恢戦が印象的であるのが、国を守り続けた老将と国に執着のない若い武将との心を交流を感じる名シーンであるからと言える。 【結果】○ 張唐 vs 成恢 × 第7位 秦 四千人将「王賁」vs 魏 大将軍「紫伯」著雍攻略編 @著雍 対魏軍(37巻) 著雍攻略戦において蛇甘平原にて絶命した呉慶を最期に途絶えたと思われていた魏火龍七師のうち霊凰(れいおう)・凱孟(がいもう)・紫伯(しはく)の3人が生き残っており秦軍に対峙する。その中でも、最愛の女性であった紫季歌(しきか)を太呂慈(たいろじ)に殺されるという私怨にかられ魏火龍のうち太呂慈・晶仙(しょうせん)・馬統(ばとう)の3人を一人で葬った、中華最強と思われる槍術使いの紫伯が王賁(おうほん)の前に立ちはだかる。王賁は初戦こそ紫伯に敗走するものの、翌日には私怨のみで戦い続け生への執着を感じない我流の槍術をあやつる紫伯を見切り、正統な槍術で急所を貫き紫伯を討ち取る。 信・蒙恬と共に若手の秦軍武将の中でもとりわけ気高い王賁。中華に名を刻む大将軍になるにはここで紫伯を討ち取ることに意味があると発起し、最強の槍手である紫伯を討ち取ったことで、王賁の槍術が中華最強水準であり、あらゆる猛者に渡り歩ける武力を持っていることを証明する一戦であった。 【結果】○ 王賁 vs 紫伯 × 第6位 羌族「羌瘣」vs 幽族「幽連」 @趙国 蚩尤決戦(34巻) 最愛の姉であった羌象(きょうしょう)の仇討ちを遂げることだけのために生きていた羌瘣(きょうかい)は、秦国が合従軍に勝利した後、姉の仇である幽連(ゆうれん)の居場所を突き止め趙国へ向かう。 羌族の生き残りである羌明(きょうめい)の手引きで幽連と対峙するが、祭で生き残った幽連は実妹を殺め蚩尤として生き残り真の強さを得ており、その強さは羌瘣の想像を超えるものだった。幽連を倒す唯一の方法は、巫舞を意識が戻ってこれない深さまで落とし今までにない強さを発揮することだったが、それは昏睡に陥り自身の死を意味するものだった。しかし、飛信隊の仲間たちの存在が意識をつなぐ光となり、とうとう羌?は深い巫舞で覚醒し幽連を討ち取ることに成功する。 信と飛信隊の仲間達との出会いを通し自分の居場所を見つけた事で幽連を倒す強さを得ることとなった。羌瘣は幽連の亡骸を隠すことで、次の蚩尤を決める祭が行われないようにし、羌象へ精一杯生きることを近い信の元へ帰るのだった。 【結果】○ 羌瘣 vs 幽連 × 第5位 秦 大将軍「蒙驁」vs 魏 大将軍「廉頗」山陽攻略編 @山陽 対魏軍(22巻) 秦の大将軍、また蒙武の父であり蒙恬の祖父でもある「白老」の異名を持つ老将の蒙驁(もうごう)。凡庸な武将と評されるものの安定し堅実な戦い方で多くの武功を残してきた蒙驁が魏国山陽攻略の総大将に抜擢された際に対峙したのが、過去一度も勝てなかったという因縁を持つ宿敵である廉頗(れんぱ)であった。 魏へ亡命前に趙の三大天であった圧倒的武勇と知略を誇る廉頗の出陣に焦る蒙驁であったが、信の「じーさんに一発逆転の好機が生まれたってことだろ?」という不安を意に介さない一言に感化される。 若い頃にケンカで一度も勝てなかった相手がいたとするそしてじじィになった今 なんとその相手ともう一度ケンカをすることとなったしかも相手はじじィになっても老い衰えるどころか逆に脂の乗った絶頂期ときておる化物じゃ フォッフォ深刻じゃろ 秦国 大将軍 蒙? 悩み意味が全っ然わからんだってそれは この期に及んでじーさんに”一発逆転”の好機が生まれたって話だろ!ケンカってのは最後に立ってた奴の勝ちだ次勝って勝ち逃げしてやれよ!そうすりゃじーさんの総勝ちだ! 秦国 三百人将 信   秦軍は副将の王翦(おうせん)・桓騎の活躍もあり善戦するが、廉頗は自ら背後より蒙驁の本陣を急襲し、両者は一騎討ちとなる。武力の劣る蒙驁であったが、奮起し廉頗と互角に戦う。これまで秦の六大将軍や趙の三大天と同じ時代を生きてきたものの、そういった列将に比較し目立たなかった蒙驁が、最後の最後で凄まじい武力と熱い想いを抱いて戦う姿はとても胸を打たれる対決シーンであった。 結果蒙驁は腕を落とされる深手を負うが、桓騎が魏軍の本陣を落とし、王翦が無傷で睨みを利かせたことにより魏は降伏することとなり蒙驁率いる秦軍は見事勝利を掴む事となる。 […]