サムネイル画像:作画引用・出典 キングダム 30巻(原 泰久) 集英社
龐煖に討たれた麃公が信に送ったメッセージ
激戦からの勝利。あの将軍の死。漫画「キングダム」で繰り広げられる全ての戦闘シーンを徹底分析し感動の上位15場面をランキング
”強き者をさらに強き者が倒し、歴史は塗り替えられる。だから乱世はおもしろい。” それぞれが背負った想いをぶつける武将たちの熱き戦い 。
キングダムの世界を彩る様々な名場面の中でもやはり心揺さぶられるのは歴戦の列将達の決戦シーンを紹介。
全戦を時系列で見たいアナタは「【キングダム 全勝負①】ALL戦闘シーン54戦を最新まで紹介![はじまりから合従軍編まで]保存版・常時更新」をご覧ください!
※物語のあらすじと共に紹介しているのでネタバレを含みます。
- 1. 第15位 秦 千人将「信」vs 趙 将軍「万極」合従軍侵攻編
- 2. 第14位 秦 大将軍「麃公」vs 魏 大将軍「呉慶」蛇甘平原の戦い編
- 3. 第13位 秦(嬴政)「信」vs 秦(王弟)「ランカイ」王弟反乱編
- 4. 第12位 秦 軍総司令「昌平君」vs 毐国 将軍「ワテギ」 嫪毐の乱編
- 5. 第11位 秦 百人将「信」vs 趙 将軍「馮忌」馬陽侵攻編
- 6. 第10位 秦 千人将「信」vs 趙 三大天「龐煖」合従軍侵攻編
- 7. 第9位 秦 将軍「蒙武」vs 楚 将軍「汗明」合従軍侵攻編
- 8. 第8位 秦 大将軍「張唐」vs 韓 大将軍「成恢」合従軍侵攻編
- 9. 第7位 秦 四千人将「王賁」vs 魏 大将軍「紫伯」著雍攻略編
- 10. 第6位 羌族「羌瘣」vs 幽族「幽連」
- 11. 第5位 秦 大将軍「蒙驁」vs 魏 大将軍「廉頗」山陽攻略編
- 12. 第4位 秦 将軍「壁」vs 趙 犬戎王「ロゾ」鄴攻略編
- 13. 第3位 秦 臨時千人将「信」vs 魏 将軍「輪虎」山陽攻略編
- 14. 第2位 秦 大将軍「麃公」vs 趙 三大天「龐煖」合従軍侵攻編
- 15. 第1位 秦 六大将軍「王騎」vs 趙 三大天「龐煖」馬陽攻防編
第15位 秦 千人将「信」vs 趙 将軍「万極」合従軍侵攻編
@函谷関 対趙軍(27巻)
万極(まんごく)は過去長平の戦いによって秦軍六大将軍だった白起(はくき)が趙の40万人にのぼる捕虜を生き埋めにした際の生き残り。万極軍も遺児たちで構成され、秦への強烈な恨みから虐殺を繰り返してきた。
万極との戦いが名シーンなのは、秦が中華統一を果たすまでには人が人を殺める乱世が続き、その中で自分も含め誰しもが恨みにかられ万極のようになってもおかしくないと信が感じ、そういったジレンマにも打ち勝ち、信念を曲げない決意を示すところにある。
違う!! 俺だって身内を殺された。だがてめェみてェにはなってねェ
秦 千人将 信(出典:キングダム 27巻(原 泰久)集英社)
お前には、たまたまそこから引き上げる人間が周りにいなかっただけだ
たまたま運が悪かっただけだ
お前は憐れな奴だ
こんな気色悪ィ怨念や亡霊共をしょいこまされちまって、
こいつらの重みでお前はぶっ壊れちまったんだよ
分かってんのか万極、一番呪われちまったのはお前自身なんだぞ!
てめェの痛みはしょってってやる だからお前はもう楽になりやがれ!!
捻じ曲がった恨みの感情を源泉に戦う万極へ、戦争孤児で下僕だった信は同情し、憐れみながらも討ち取る。信は万極の死に際、秦将として二度と長平のような惨劇は起こさないと誓う。これ以降も中華統一の過程にある乱世の裏腹に正義の定義は何か考えさせられる印象的な戦いであった。
【結果】○ 信 vs 万極 ×
第14位 秦 大将軍「麃公」vs 魏 大将軍「呉慶」蛇甘平原の戦い編
@蛇甘平原 対魏軍(5-7巻)
呉慶(ごけい)vs麃公(ひょうこう)の決戦が名シーンである決め手は、天下の大将軍を夢見る信が始めて参加した戦で繰り広げられた大将軍同士の一騎討ち、即ちキングダムのストーリーの中で初めて描かれた大将軍同士の一騎打ちであるということ。
かつて甲という国を趙に滅ぼされた亡国の王族であった呉慶。秦の六大将軍や、趙の三大天と渡り歩いてきた魏国の魏火龍七師の一人であり、他の6人と異なり唯一生き残っていた知略にとんだ大将軍。
他国の侵略に凄惨な過去を持つ呉慶は、秦国からの侵攻に知略を忘れ激情にかられ、個の武では圧倒的に勝る麃公に対し一騎討ちを仕掛け善戦するも最後は麃公の前に討ち取られてしまうのであった。
本能と武勇で戦う麃公将軍の姿は、王騎(おうき)に並び信が敬い道標となる将軍像となり、キングダムの世界に無くてはならない猛将の一人と言える。
【結果】○ 麃公 vs 呉慶 ×
第13位 秦(嬴政)「信」vs 秦(王弟)「ランカイ」王弟反乱編
@咸陽 王宮本殿 対秦王弟陣営(4-5巻)
ランカイとの戦いが名シーンであるのは、無名の下僕であった信がここまで朱凶・ムタ・左慈という数々の刺客に打ち勝ち、強力な怪物であるランカイをまで倒してしまうというポテンシャルを見せ付ける一戦であるという点。
山の民の決死の援護と、壁からの剣を信じろという檄を受け、高く舞い上がった信がランカイの背後から刃を突き刺し、致命傷を負ったランカイは戦意を失う。
信の活躍により王弟成蟜のクーデターは鎮圧され、信と嬴政との中華統一へ向けた乱世の物語が始まることとなる。
【結果】○ 信(バジオウ・タジフ・シュンメン) vs ランカイ ×
第12位 秦 軍総司令「昌平君」vs 毐国 将軍「ワテギ」 嫪毐の乱編
@咸陽 対毐国軍(40巻)
嬴政の加冠の儀による王宮の虚をついた毐国のクーデターである嫪毐(ろうあい)の乱編にて最も印象的だったのが、昌平君(しょうへいくん)が呂不韋(りょふい)の四柱ではなく軍総指令として秦国の窮地を救うため自ら打って出たこと。昌平君がただの軍師ではなく、圧倒的な武勇を持ち、敵将ワテギを瞬殺するシーン。
長年にわたる秦国内での秦王嬴政陣営と相国呂不韋陣営との権力抗争は、嬴政が加冠することで終焉を迎えるところだったが、最後に呂不韋が画策した謀略は毐国の謀反に乗じて嬴政陣営を倒すことであった。
信は樊琉期(はんるき)を討ち取り、嬴政の嫡子を護ることに成功するも王宮には秦国へ恨みを持つワテギが生き残っていたが、直前に呂不韋陣営から離反した昌平君が屈強な私兵と共に王宮へ参上し、自らワテギを討ち取ったことで呂不韋の思惑は打ち砕かれることとなった。
【結果】○ 昌平君 vs ワテギ ×
第11位 秦 百人将「信」vs 趙 将軍「馮忌」馬陽侵攻編
@馬陽 対趙軍(12巻)
信が憧れる六大将軍である王騎から「飛信隊」という名をもらい、王騎の策略と信の持ち前の強さが知略に富んだ武将である馮忌(ふうき)を討ち取ったシーンは、キングダムのストーリーの中でも”初めて信が将軍級の首級を取った”印象的な場面だった。
蛇甘平原の戦い以来、三大天龐煖(ほうけん)擁する趙軍との戦いとなった馬陽侵攻編は、信が参戦した二回目の大戦であった。陣地や多くの兵を倒すことより一人の有能な武将を討ち取るべきだとする王騎の策略において、遊撃隊の任を受けた飛信隊が仲間達と決死の突撃で馮忌軍本陣を急襲し、最後は信の力が馮忌の知略を超え敵将を討ち取ることに成功するのであった。
【結果】○ 信 vs 馮忌 ×
第10位 秦 千人将「信」vs 趙 三大天「龐煖」合従軍侵攻編
@蕞 対趙軍(33巻)
合従軍編の佳境。咸陽の喉元まで差し迫った蕞での攻城戦において、秦王嬴政自らが鼓舞により蕞の民は兵士として戦い耐えし趙を跳ね返したものの最後に現れたのが武神「龐煖」。
馬陽にて戦った際に深手を負い、自らを救出してくれた同郷の尾到(びとう)を亡くしたという因縁の相手であり、直前に尊敬する大将軍の麃公を殺した仇でもある龐煖に対し、信は「超えなくてはならない相手」として一騎討ちに挑む。
馬陽では歯が立たなかった龐煖に対し、龐煖には麃公が与えたダメージがあるものの互角に戦い、最後は致命傷になりかねない一撃を龐煖の胸に突き刺すことに成功する。
しかし、龐煖は退かず戦うも、山の民の出現に壊滅状態に陥った李牧が撤退の命令に従い龐煖も退却し両者は決着がつかず、戦は秦が勝利することとなる。
【結果】△ 信 vs 龐煖 △
第9位 秦 将軍「蒙武」vs 楚 将軍「汗明」合従軍侵攻編
@函谷関 対楚軍(29巻)
蒙武(もうぶ)と汗明(かんめい)との一騎討ちが名シーンであるのはキングダム史上類を見ないほどの壮絶な武と武の激突であるという点。合従軍編で初めて秦と楚の武将との対決が描かれたが、蒙武の武勇を目の当たりにする一戦であった。六大将軍の一人である王齕(おうこつ)を敗走させたほどの猛将である汗明に一歩も引かない蒙武。お互い腕の骨が飛び出る程の打ち合いを見せる。
しかし、加勢に入った蒙武の息子である蒙恬(もうてん)が汗明に斬られ致命傷を負い、それに激情した蒙武はとうとう汗明を討ち取る。
汗明に討たれ瀕死の蒙恬へ、蒙武の家臣が最期の言葉をかけてあげてくださいと言うが、蒙武は「その程度で死ぬ倅ではない」と息子の強さを信じる父親としての一面も見せる将軍蒙武の姿に感極まるシーンだった。
【結果】○ 蒙武 vs 汗明 ×
第8位 秦 大将軍「張唐」vs 韓 大将軍「成恢」合従軍侵攻編
@函谷関 対韓軍(28巻)
合従軍の侵攻に対し、国門である函谷関を防衛する老将「張唐(ちょうとう)」。長きに渡り秦国の忠臣として祖国に仕えた将軍へ、韓軍の総大将である成恢(せいかい)は姑息にも毒を浴びせ長く持たない体とする。死を覚悟した張唐はこの戦地を最期と定め、桓騎(かんき)の奇襲と共に成恢の本陣へ迫る。
毒を合理的な戦術だと言う成恢であったが迫りくる張唐を前に背を見せて逃走を図るも、数々の戦場を渡りぬいた張唐はその姿に憤り成恢を一刀両断する。
成恢との戦いの前夜、桓騎に「なぜ秦国の武将をしているのか?」という問いに対して「武将だなんだと偉そうにしているやつより戦が抜群に強いからだろ。秦がどうなろうが知ったことではない」と返されるも、桓騎の知略と武力を認め死に際には「秦国一の武将になれ。秦を頼むぞ」と言い残し絶命する。
馬上から崩れ落ちる張唐を「調子が狂うじじいだ」と漏らしながらも落馬せぬよう掴み、敬う振る舞いを見せる桓騎。 張唐vs成恢戦が印象的であるのが、国を守り続けた老将と国に執着のない若い武将との心を交流を感じる名シーンであるからと言える。
【結果】○ 張唐 vs 成恢 ×
第7位 秦 四千人将「王賁」vs 魏 大将軍「紫伯」著雍攻略編
@著雍 対魏軍(37巻)
著雍攻略戦において蛇甘平原にて絶命した呉慶を最期に途絶えたと思われていた魏火龍七師のうち霊凰(れいおう)・凱孟(がいもう)・紫伯(しはく)の3人が生き残っており秦軍に対峙する。その中でも、最愛の女性であった紫季歌(しきか)を太呂慈(たいろじ)に殺されるという私怨にかられ魏火龍のうち太呂慈・晶仙(しょうせん)・馬統(ばとう)の3人を一人で葬った、中華最強と思われる槍術使いの紫伯が王賁(おうほん)の前に立ちはだかる。
王賁は初戦こそ紫伯に敗走するものの、翌日には私怨のみで戦い続け生への執着を感じない我流の槍術をあやつる紫伯を見切り、正統な槍術で急所を貫き紫伯を討ち取る。
信・蒙恬と共に若手の秦軍武将の中でもとりわけ気高い王賁。中華に名を刻む大将軍になるにはここで紫伯を討ち取ることに意味があると発起し、最強の槍手である紫伯を討ち取ったことで、王賁の槍術が中華最強水準であり、あらゆる猛者に渡り歩ける武力を持っていることを証明する一戦であった。
【結果】○ 王賁 vs 紫伯 ×
第6位 羌族「羌瘣」vs 幽族「幽連」
@趙国 蚩尤決戦(34巻)
最愛の姉であった羌象(きょうしょう)の仇討ちを遂げることだけのために生きていた羌瘣(きょうかい)は、秦国が合従軍に勝利した後、姉の仇である幽連(ゆうれん)の居場所を突き止め趙国へ向かう。
羌族の生き残りである羌明(きょうめい)の手引きで幽連と対峙するが、祭で生き残った幽連は実妹を殺め蚩尤として生き残り真の強さを得ており、その強さは羌瘣の想像を超えるものだった。
幽連を倒す唯一の方法は、巫舞を意識が戻ってこれない深さまで落とし今までにない強さを発揮することだったが、それは昏睡に陥り自身の死を意味するものだった。しかし、飛信隊の仲間たちの存在が意識をつなぐ光となり、とうとう羌?は深い巫舞で覚醒し幽連を討ち取ることに成功する。
信と飛信隊の仲間達との出会いを通し自分の居場所を見つけた事で幽連を倒す強さを得ることとなった。
羌瘣は幽連の亡骸を隠すことで、次の蚩尤を決める祭が行われないようにし、羌象へ精一杯生きることを近い信の元へ帰るのだった。
【結果】○ 羌瘣 vs 幽連 ×
第5位 秦 大将軍「蒙驁」vs 魏 大将軍「廉頗」山陽攻略編
@山陽 対魏軍(22巻)
秦の大将軍、また蒙武の父であり蒙恬の祖父でもある「白老」の異名を持つ老将の蒙驁(もうごう)。凡庸な武将と評されるものの安定し堅実な戦い方で多くの武功を残してきた蒙驁が魏国山陽攻略の総大将に抜擢された際に対峙したのが、過去一度も勝てなかったという因縁を持つ宿敵である廉頗(れんぱ)であった。
魏へ亡命前に趙の三大天であった圧倒的武勇と知略を誇る廉頗の出陣に焦る蒙驁であったが、信の「じーさんに一発逆転の好機が生まれたってことだろ?」という不安を意に介さない一言に感化される。
若い頃にケンカで一度も勝てなかった相手がいたとする
秦国 大将軍 蒙?
そしてじじィになった今 なんとその相手ともう一度ケンカをすることとなった
しかも相手はじじィになっても老い衰えるどころか逆に脂の乗った絶頂期ときておる
化物じゃ フォッフォ深刻じゃろ
悩み意味が全っ然わからん
秦国 三百人将 信
だってそれは この期に及んでじーさんに”一発逆転”の好機が生まれたって話だろ!
ケンカってのは最後に立ってた奴の勝ちだ
次勝って勝ち逃げしてやれよ!そうすりゃじーさんの総勝ちだ!
秦軍は副将の王翦(おうせん)・桓騎の活躍もあり善戦するが、廉頗は自ら背後より蒙驁の本陣を急襲し、両者は一騎討ちとなる。武力の劣る蒙驁であったが、奮起し廉頗と互角に戦う。
これまで秦の六大将軍や趙の三大天と同じ時代を生きてきたものの、そういった列将に比較し目立たなかった蒙驁が、最後の最後で凄まじい武力と熱い想いを抱いて戦う姿はとても胸を打たれる対決シーンであった。
結果蒙驁は腕を落とされる深手を負うが、桓騎が魏軍の本陣を落とし、王翦が無傷で睨みを利かせたことにより魏は降伏することとなり蒙驁率いる秦軍は見事勝利を掴む事となる。
【結果】△ 蒙驁 vs 廉頗 △
第4位 秦 将軍「壁」vs 趙 犬戎王「ロゾ」鄴攻略編
@僚陽 対犬戎&趙軍(53巻)
キングダム序盤より信と共に嬴政を支える武将である「壁(へき)」。軍略に則った忠実かつ堅実な戦いと家柄で将軍まで上り詰めた男。合従軍編では麃公が龐煖に討たれ怒りに我を忘れた信に熱く感動的な檄を飛ばすなど無くてはならない存在であるが、ここまで大きな首級を上げたことは無かった。
趙国を攻める鄴攻略戦でも楊端和(ようたんわ)軍に従軍するも兵糧庫を焼かれるなどいいところが無かった壁だったが、フィゴ王のお膳立てで敵将である犬戎王ロゾを討ち取るという大武功を成し遂げ僚陽を陥落させることに成功した。
僚陽の激戦で壁と共に戦ったメラ族の族長であり兄であるカタリを殺されたキタリからロゾを討ち取れと檄を受け、武力に全く適わないであろうロゾに挑むが簡単に返り討ちにあうも、最後の最後で息を吹き返しロゾにトドメを刺す。
愛すべきキャラクターである壁将軍が活躍する姿にキングダムファンとしては胸が熱くなってしまう印象的な一戦であった。
【結果】○ 壁 vs ロゾ ×
第3位 秦 臨時千人将「信」vs 魏 将軍「輪虎」山陽攻略編
@山陽 対魏軍(22巻)
信がこれまで対峙してきたつわものの中でも一線を画す存在であったのが廉頗の腹心である将軍「輪虎(りんこ)」であったと言える。
天下の大将軍を目指す信の前に立ちはだかる輪虎はその武勇も去ることながら、武将として凛とした姿勢に敵ながら敬うに値する気高い姿を見せる。
山陽攻略編で信は何度も輪虎と相対するが、その都度両者は激戦を交わすが、輪虎と戦った事で信は強さを覚醒させ、最後は輪虎を討ち取る。この戦いが今後の信の成長に大きく影響を与えることになったと言える。
輪虎は戦争遺児で、死の間際に戦の天才である廉頗に拾われ武将としての頭角を現し、廉頗四天王の中でも比類ない実力を示し、自らを「廉頗の剣」と称して生涯廉頗に仕えて戦ってきた忠臣であり孤高の天才であった。
しかし、それを天命と信じて戦い続けた輪虎に対し信は天ではなく自分の足で・自分の意思で戦ってきたんだろうと正す。
天に寵愛される武将は一握り その一人である廉頗に天が出会わせた剣がこの僕だってね
魏軍 廉頗四天王 将軍 輪虎(出典:キングダム 22巻(原 泰久) 集英社)
だからこんなところで負ける訳には・・・
下らねェ さっきから聞いてりゃ それじゃまるで全部が天任せみてェじゃねェかよ
秦軍 臨時千人将 信 (出典:キングダム 22巻(原 泰久) 集英社)
そうじゃねェだろ 俺達はみんなてめェの足で立って戦ってんだ
今のお前だって廉頗(れんぱ)の剣であるべく命がけで戦いまくって来た結果だろうが!
熱き想いを宿した両者の戦いは、キングダムのストーリーの中でも強く心に残る決戦であったと言える。
【結果】○ 信 vs 輪虎 ×
第2位 秦 大将軍「麃公」vs 趙 三大天「龐煖」合従軍侵攻編
@武関先南道 対趙軍(30巻)
秦国が最大の窮地に追い込まれた合従軍の侵攻。国門である函谷関を死守するも、李牧軍は山中を抜けもう一つの国門であった武漢の内側から咸陽の喉元である蕞へ迫っていた。蕞の陥落は王都である咸陽の陥落に等しい。
秦将の中で唯一李牧の不審な動きに勘付いた麃公は飛信隊とともに李牧軍を追撃する。武漢の南道で李牧軍に追いつくも立ちはだかったのが武神龐煖であった。
麃公は自らの命と引き換えに趙軍を止めるべく龐煖と一騎討ちで対峙し激闘を繰り広げる。王騎に自らの武力だけでは勝てなかった龐煖がその幻影を追って戦場へ現れたことに”矛盾に気づかず一人でもだえておるど阿呆”と言い捨て腕をへし折るものの、最後は龐煖の一撃の前に討死する。
多くの敵を葬り、多くの仲間を失い、乱世で数々の命を肩に背負って戦い続けてきた大将軍王騎と、孤独にただ強さだけを求めてきた求道者である龐煖とは、そもそも相容れない存在であるという矛盾の中で、勝てなかった相手の幻想を追いかけている愚か者と断じる麃公の言葉の説得力には、大将軍の経験からくる裏打ちがあるように感じる重みのあるメッセージであった。
己の中の大いなる矛盾に気づかず一人もだえておるただのど阿呆じゃ
龐煖、やはり貴様は全く何も感じておらぬだのぅ、わき上がってくる力を!
秦国 大将軍 麃公( 出典:キングダム 30巻 (原 泰久) 集英社 )
つむがれていく炎を!じゃから王騎に勝てなかった!
麃公は自らの盾を授け、ここは信の火を燃やし尽くす場所で無いと伝え信へ前進を命じる。
前進じゃア
秦国 大将軍 麃公 ( 出典:キングダム 30巻 (原 泰久) 集英社 )
ここは貴様の火を燃やし尽くす場所に非ず
咸陽に行け 童 信!
そして、死に際に最期の言葉を信へ伝える。
火を絶やすでないぞォ
秦国 大将軍 麃公 ( 出典:キングダム 30巻 (原 泰久) 集英社 )
麃公の死に怒り狂い龐煖へ突撃しようとする信を、壁が「将軍が前進とおっしゃったのが聞こえなかったのか!盾を投げられた意味が分からなかったのか!」と諫め、麃公が自らの死に代えて信に与えた大きな役割を諭す。
頭を冷やせ馬鹿者っ
秦国 武将 壁 ( 出典:キングダム 30巻 (原 泰久) 集英社 )
将軍が前進とおっしゃったのが聞こえなかったのか!!
盾を投げられた意味が分からなかったのか!!
ここで脱出してその意志をつがねば 咸陽を守らねば 麃公将軍の死すら意味を失ってしまうのだぞ!
秦と代表する豪快な大将軍であると共に、信の初陣の総大将であり、信が大きく影響を受け目指す道標となった天下の大将軍像の一人である麃公が姿を消すこととなる悲痛のワンシーンとなった。
【結果】× 麃公 vs 龐煖 ○
第1位 秦 六大将軍「王騎」vs 趙 三大天「龐煖」馬陽攻防編
@馬陽 対趙軍(15-16巻)
キングダム史上一番の決戦は天下の大将軍である王騎がこの世を去った龐煖との一戦であると言える。その最期は大将軍たる存在を天下に示す誇らしいものだった。
昭王の時代に乱世を渡り歩いた六大将軍の王騎はしばらく息を潜めていたが、嬴政の確固たる志に感銘を受け趙軍の攻防戦の総大将として前線へ返り咲く。その知略と武力は衰えを知らず趙軍を攻め立てるも、その前に立ちはだかったのがかつて婚約者であった摎(きょう)を殺し、一度王騎が葬ったと思われていた武神龐煖であった。
共に壮絶な打ち合いを繰り広げるが、これまで孤独に武を求めた求道者である龐煖に対し、戦場で失った仲間や葬った敵の命や想いを双肩に宿っているとする王騎の武力は龐煖を上回っており龐煖を攻め立てる。しかし、トドメの一撃を食らわす間際に李牧軍の武将魏加(ぎか)の矢を背中に受けたことで生まれた一瞬の隙で龐煖に瀕死の一撃を受けてしまう。
それでも王騎は片手で龐煖の首に矛を食い込ませていくという脅威的な力に強さを前に龐煖もひるむ。
貴様は一体 何者だ
趙国 三大天 龐煖( 出典:キングダム 16巻 (原 泰久) 集英社 )
ンフフフ 決まっているでしょォ
秦国 六大将軍 王騎 ( 出典:キングダム 16巻 (原 泰久) 集英社 )
天下の大将軍ですよ
龐煖が王騎へトドメを刺そうとするが、騰と信が王騎を救出し戦地を脱し、その馬上で大将軍への道を諭す。
大将軍になりたいと言いましたね、童 信
秦国 六大将軍 王騎 ( 出典:キングダム 16巻 (原 泰久) 集英社 )
ゆっくり目を開き、目にするモノをよォく見てみなさい
敵の群れを 敵の顔を そして味方の顔を 天を地を
これが将軍の見る景色です
李牧は王騎を討ち取ったことで侵攻の目的は達したとして撤退したことで結果的に秦は迎撃に成功するも王騎を失った痛手は大きかった。龐煖は王騎を倒したものの、求道者として自らの武力が天下一であることを示すことができず王騎を失ったことに憤る。
その後、王騎は騰へ軍の後を任せ、強き者がさらに強き者を倒し時代は進んでいく、だから乱世は面白いと言い残し、信へ矛を授け絶命する。
ンフフフ
まったく困ったものですねェ
いつの時代も最強と称された武将たちはさらなる強者の出現で敗れます
しばらくその男を中心に中華の戦は回るでしょう・・・
しかし それもまた次に台頭してくる武将に討ち取られて、時代の舵を渡すのでしょう
果てなき漢共の命がけの戦い。
ンフフフ全く
これだから乱世は面白い
童 信
秦国 六大将軍 王騎 ( 出典:キングダム 16巻 (原 泰久) 集英社 )
修行をつけてやる約束でしたね
見ての通りもはや無理になってしまいました
しかし、そもそも大将軍の私に直に教わろうなんて虫が良すぎますよ。
ココココ
そういうことは自分で戦場をかけ回って学びなさいバカ者
皆と共に修羅場をくぐりなさい
素質はありますよ 信
最期に「武に生き 一時代を築き、さらに武に死ねることは本望」という心の声とともに息を引き取る王騎の姿に、真の大将軍たるものは何かを感じさせられるキングダム史上最もドラマティックなシーンであった。
【結果】× 王騎 vs 龐煖 ○
以上、列将が想いを乗せて戦った感動・興奮・胸アツの決戦ランキングでした!
全戦を時系列で見たいアナタは以下の記事をご覧ください!